研究課題/領域番号 |
10176218
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
内山 安男 大阪大学, 医学部, 教授 (10049091)
|
研究分担者 |
伊佐原 京子 大阪大学, 医学部, 助手 (30303944)
大沢 良之 大阪大学, 医学部, 助手 (30273642)
渡部 剛 大阪大学, 医学部, 助教授 (80220903)
|
研究期間 (年度) |
1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | リソソーム / カテプシンB / カテプシンD / オートファジー / アポトーシス / マンノース6-リン酸リセプター |
研究概要 |
PC12細胞を血清除去して培養すると、その初期からオートファジー小体を形成する。今回、このオートファジーの性質を検討した。細胞死に至る過程で、リソゾームカテプシンBとDの活性、蛋白量、細胞内における免疫反応性について調べた。培養24時間後のカテプシンBは、活性、蛋白量、その免疫反応性共に、極端に低下することが分かった。一方、カテプシンDの活性はその初期から上昇し、蛋白量は24時間の時点で約3倍になった。カテプシンDの免疫染色でみると、オートファジー小体の出現と一致して、陽性顆粒の染色性の強さ、その大きさは、共に増大した。培養24時間後にはTUNEL陽性細胞にもこの傾向はみられた。即ち、血清除去により出現したオートファジー小体/オートリソゾームでは、カテプシンBとDとのバランスが崩れていることが明らかとなった。そこで、私達は、カテプシンBおよびDのcDNAをPC12細胞に各々導入した細胞を作製した。カテプシンDの遺伝子導入PC12細胞(PC-CAT-D細胞)のクローンを一種類だけ作製することができた。この細胞を血清非存在下で培養すると、12時後の時点で、生存率は野性型細胞に比べ有意に低下した。この生存率は、カテプシンDのインヒビターであるペプスタチンAの添加で上昇した。さらに、カテプシンBの遺伝子導入PC12細胞(PC-CAT一B細胞)では、その生存活性が著しく上昇することが分かった。この生存率は、カテブシンBのインヒビターであるCA074を添加することにより低下し、ペプスタチンAをさらに添加することで元に復した。PC-CAT一B細胞を無血清条件下で24時間培養し、カテプシンBとDの蛋白量の変化をみると、カテプシンBは培養初期と比べ変化せず、Dは約2.5倍に上昇していた。以上の結果は、カテプシンBとDによって制御される、細胞死の経路の存在を支持するものであり、その経路の中では、Dは細胞死誘発因子として、また、Bはその活性を抑制する因子として作用する。
|