研究課題/領域番号 |
10176230
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
古川 昭栄 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (90159129)
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研究分担者 |
古川 美子 愛知文教女子短期大学, 教授 (20219108)
新田 淳美 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (20275093)
野元 裕 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (80164747)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 脳由来神経栄養因子 / パーキンソン病 / 4-メチルカテコール / ドパミンニューロン / 脳 / 治療 / 黒質 / 線状体 |
研究概要 |
脳由来神経栄養因子(BDNF)は黒質ドパミンニューロンに対する神経栄養因子であり障害に伴うニューロン死を抑制する作用をもつためパーキンソン病の治療薬として期待される。しかし末梢から脳に移行させる有効な手段がなく臨床応用が阻まれている。そこで本研究ではBDNFの脳での産生を医学的に増幅することによってニューロン死を抑制する方法を探る。 1) 4-メチルカテコール(4MC)によるBDNF産生増強:培養ラットアストロサイトに4MCを添加するとBDNF、NT-3、NGFのmRNA、細胞内、分泌タンパク質量が上昇した。しかしニューロンではBDNFだけが産生増強された。すなわち4MCはアストロサイト、ニューロンいずれのBDNF産生をも促進した。実際にラット脳室内へ4MC(1.6μg)を投与すると海馬、大脳皮質でそれぞれ最大6倍、16倍にBDNF量が増加した。以上の結果より化学修飾などにより脳移行性を高めれば4MCによる脳でのBDNF産生調節が可能と考えられた。 2) ドパミン受容体アゴニスト、アンタゴニストによるBDNF産生調節:成熟ラット腹腔に毎日1回、a)ドパミンD1/D5受容体アゴニスト、b)同アンタゴニスト、c)D2受容体アゴニスト、d)同アンタゴニスト、をそれぞれ投与し黒質と線状体におけるBDNFタンパク質の発現をイムノプロットで調べた。その結果、黒質では、D1/D5受容体を介する発現上昇機構とD2受容体を介する抑制機構が存在することが判明した。一方、線状体ではD2受容体を介する促進機構の存在が証明された。すなわち、黒質、線状体ではD1型受容体とD2型受容体がBDNF発現に直接関わっており、ドパミンニューロンの神経機能やシナプス機能を調節していると考えられた。
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