研究課題/領域番号 |
10177207
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
森田 育男 東京医科歯科大学, 歯学研究科, 助教授 (60100129)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 血管新生 / エイコサペンタエン酸 / 虚血 / 再還流 / 血管内皮細胞 / コネキシン / ギャップ |
研究概要 |
アラキドン酸代謝に影響を与える因子としてエイコサペンタエン酸(EPA)が知られているが、このEPAがVEGFによる血管新生を抑制し、種々の病態を改善させることが明らかとなった。その機序の1つはVEGF受容体であるKDRがEPA処理によりdown regulationすることにあったが、本年度は、さらに血管内皮細胞の機能に対するEPAの効果を検討した。生体内において血管内皮細胞の傷害は主に活性化白血球と虚血/再環流で行われていると考えられる。そこで、ヒト血管内皮細胞を低酸素状態(Hypoxia)で培養した後、通常の状態(Reoxygenation)に戻す実験系を虚血/再環流モデルとして用い、細胞の傷害、細胞間のgap等を調べた。虚血/再環流により細胞は傷害を受けコネキシン43のリン酸化が起こり、細胞間のgapが一過性に消失した。しかし、EPA(3μg/ml)を前処理した細胞ではhypoxia/reoxygenationによるCx43のチロシンリン酸化の抑制が認められた。その結果として細胞間のgapがはずれなかった。その機序を解明したところ、EPAの効果は再環流時のチロシンリン酸化酵素活性の抑制にあることが明らかとなった。 以上の結果より魚油に多く含まれているEPAは種々の病態において、生体のホメオスターシスの維持に働くことが明らかとなった。
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