研究課題/領域番号 |
10177209
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
磯部 光章 信州大学, 医学部, 助教授 (80176263)
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研究分担者 |
川内 基裕 東京大学, 医学部, 講師 (00152918)
天野 純 信州大学, 医学部, 教授 (20138283)
矢崎 善一 信州大学, 医学部, 助手 (50283263)
関口 守衛 信州大学, 医学部, 教授 (70075232)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 心臓移植 / 免疫抑制 / 動脈硬化 / 慢性拒絶 / 遺伝子導入 / 細胞周期調節遺伝子 / HVJ-リポソーム / サル |
研究概要 |
急性拒絶と並んで、慢性拒絶は臓器移植後の深刻な合併症である。心臓移植においては、移植心冠動脈内膜肥厚がその主体であり、長期予後を決定する重要な要素である。病態には不明な点が多く予防法はない。一方、急性・慢性拒絶反応を予防する新たな手段として移植臓器への遺伝子導入が注目されている。本研究では心移植後慢性拒絶の分子病態を解明するとともに、将来の臓器移植における遺伝子治療の戦略確立のために、移植臓器への遺伝子導入の有効性と安全性を動物実験において検討した。 マウスおよびサルの移植心で30-60日後に臨床例と類似の冠動脈内膜肥厚が確認された。肥厚内膜の主体は形質変換した血管平滑筋細胞で、ICAM-1、VCAM-1など接着分子、MCP-1などの白血球走化因子、PDGFなどの増殖因子、エンドセリン、細胞周期調節遺伝子、MMPの発現亢進やTIMPの発現低下が認められた。本疾患の病態にはバルーン障害と同様、炎症機転が深く関わっていることが示された。HVJリポソーム法により移植心にアンチセンスcdk2 kinaseを導入した。導入遺伝子は少なくとも2週間血管及び心筋に広範に発現していることが確認された。遺伝子導入群では30日後の内膜肥厚は著明に抑制されていた。E2Fdecoy遺伝子導入ではより長期にわたる抑制効果があった。サルにおいても移植心へのE2Fdecoy遺伝子導入が可能であり、28日目に内膜肥厚の抑制効果が確認された。サルで行ったHVJリポソーム法の安全性試験では、大量静注投与によっても毒性を認めなかった。 慢性拒絶反応の病態における炎症機転の関与が示され、遺伝子治療の有用性が小動物・大動物の実験で示された。標的とすべき遺伝子、導入方法、安全性、長期的効果などに関して、さらに詳細な検討が必要である。HVJリポソーム法は導入効率と安全性の高い遺伝子導入法と考えられ、臓器移植への臨床応用が期待される。
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