研究課題/領域番号 |
10177217
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中西 真人 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (10172355)
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研究分担者 |
真弓 忠範 大阪大学, 薬学部, 教授 (00098485)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / ベクター / 核移行 / ラムダファージ / 染色体 |
研究概要 |
1. 核移行シグナルを使ったDNAの核へのターゲッティング 本年度は、能動的に核に移行できるNLSファージの内部に、ルシフェラーゼ遺伝子やGFP遺伝子を組み込んで動物細胞に導入し、遺伝子発現が増強されるかどうかを観察した。それぞれの遺伝子について、NLSファージ、野生型ファージ及びファージDNAを調製し、HEL細胞へはマイクロインジェクションで、cos細胞へは陽荷電リポソームとのハイブリッドとして導入した。その結果、いずれの場合も、NLSファージは純粋なDNAよりも20から200倍以上高い遺伝子発現を誘導できることが明らかになった。 2. DNAの核内での安定性を決める要因の解析と遺伝子発現ベクターへの応用 本年度は、まずDNAの安定性を正確かつ容易に測定する方法を開発した。この方法の原理は、抗生物質への耐性(Positive Selection Marker)と抗ガン剤への感受性(Negative Selection Marker)という異なった性質を合わせ持つ遺伝子を作り、この遺伝子を細胞に導入後、その消失頻度を抗ガン剤耐性でモニターするというものである。この方法を応用するための基礎的な条件を確詔した後、EBウイルスの複製系を持つプラスミドの安定性を測定してみたところ、従来の方法で数カ月かかって安定性を求めた報告(1細胞分裂あたり2.8-5.7%が欠落する)とほぼ一致する結果(1細胞分裂あたり3.1-4.1%の欠落)が2週間で得られた。この方法では細胞分裂あたり0.1%という非常に微妙な安定性も2週間という短期間で測定することが可能であり、これを指標に核内で遺伝情報を安定化できるDNAの構造を解析できる。現在、染色体の末端にあるテロメアを中心に安定化因子を解析している。
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