研究課題/領域番号 |
10177219
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
山田 充彦 国立循環器病センター研究所, 心臓生理部, 室長 (10263237)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 血管平滑筋 / ATP感受性K^+チャネル / K^+チャネル開口薬 / スルフォニルユレア受容体 / Kir6.1 / パッチクランプ |
研究概要 |
ピナシジル・ニコランジルなどのいわゆるK^+チャネル開口薬(KCO)は、心筋・骨格筋・膵β細胞などの古典的K_<ATP>チャネルの細胞内ATP感受性を低下させて、これらのチャネルを活性化する。ところが、KCOの生体内の主たる作用点である血管平滑筋細胞のK_<ATP>チャネルは、古典的K_<ATP>チャネルと異なり、自然開口を欠き、細胞内ATPにより活性化される特性を有する。そこで、スルフォニルユレア受容体(SUR)2Bと2回膜貫通型K^+チャネルサブユニット(Kir)6.1をHEK293T細胞に共発現し、再構成された血管平滑筋型K_<ATP>チャネルに対するKCOの作用機序をパッチクランプ法で検討した。インサイドアウトパッチ内で、細胞内ATPはチャネルに対して二相性の効果を示した。すなわちATPは、100μMから3mMの範囲で濃度依存性にチャネルを活性化し、10mMでは弱い抑制効果を示した。ピナシジルは濃度依存性に細胞内ATPの活性化のポテンシーを高めたが、抑制のポテンシーを変化させなかった。ATPの代わりにADP・GTP・GDPを用いてもほぼ同様の結果が得られたが、ヌクレオシド-燐酸・ヌクレオシドはピナシジル存在下でもチャネルを活性化しなかった。一方、UTP・UDPは活性化効果のみを示し、抑制効果を示さなかった。そこで、種々の濃度のUTPとピナシジルが共存する時、チャネルノイズの解析を行うと、ピナシジルはチャネルの速い開閉のキネティックスを変化させず、開口可能なチャネル数を増加させてチャネル電流を増大すると考えられた。このようなKCOのSUR2B/Kir6.1チャネルに対する作用機序は古典的K_<ATP>チャネルに対する作用機序と全く異なる。しかし血管平滑筋細胞膜におけるK_<ATP>チャネルの発現密度が低いためか、この事実はこれまでほとんど認識されていなかった。このような作用機序の差異を利用すれば、血管平滑筋細胞特異的に作動する新しい動脈硬化血管の収縮異常の治療薬の開発が可能となるのではないかと考えられた。
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