研究課題/領域番号 |
10178222
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立小児病院 |
研究代表者 |
小栗 佳代子 国立小児病院, 小児医療研究センター, 研究員 (10158826)
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研究分担者 |
吉田 圭一 生化学工業株式会社, 糖質プロジェクト, 主席研究員
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 細胞接着 / シグナル伝達 / ストレスファイバー / フィブロネクチン受容体 / インテグリン / シンデカン / ヘパラン硫酸プロテオグリカン / グリピカン |
研究概要 |
マウスルイス肺癌由来の転移能の異なる株細胞を用い、いま一つのフィブロネクチン(FN)受容体として、インテグリンα5β1を介した情報伝達系を修飾し、細胞骨格形成(ストレスファイバー(SF)形成)を変換する細胞膜型ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)がシンデカン2であることを、以下の順で明らかにした。 1. FN接着依存的にSFを形成するP29細胞、形成しないH11細胞の発現する細胞膜型HSPGは、細胞膜貫通型のシンデカン全4分子種、膜貫入(GPIアンカー)型のグリピカン2分子種であった。 2. まず、PI特異的ホスホリパーゼC消化がFN接着依存的細胞骨格形成に影響を与えないことから、グリピカン群がこのシグナル伝達系に関与しないことを明らかにした。次に、4分子種のシンデカンのうち、両株細胞で発現量が異なるのは、シンデカン2(mRNAレベルで1/10、タンパク質レベルで1/6)のみで、シンデカン1、3、4の発現量に差異が無いことを明らかにした。 3. 両株細胞のシンデカン2発現を操作することにより、FN接着依存的細胞骨格形成を人為的に変換せしめた。即ち、高発現株P29にシンデカン2cDNAアンチセンスを導入してFN接着依存的SF形成を抑制し、低発現株H11にシンデカン2cDNAを導入して、SF形成を誘導することに成功した。 以上の結果により、シンデカン2がインテグリンα5β1と協調的に働き、その情報伝達系を変換することが示された。これは、同一細胞が発現し、リガンド結合部位としてヘパラン硫酸鎖を有する受容体型HSPG群に、機能特異性のあることを直接的に示した初めての報告である。
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