研究課題/領域番号 |
10179207
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
楠見 明弘 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50169992)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 情報伝達分子筏 / ホップ拡散 / 蛍光共鳴エネルギー移動 / 金コロイド / 細胞間接着ドメイン / 一分子操作 / 秩序液晶相 |
研究概要 |
一分子観察・操作法の開発をさらに推進した。また、分子間の結合と相互作用を蛍光共鳴エネルギー移動を利用して可視化するため、蛍光寿命イメジング顕微鏡法の開発も進めた。特に膜分子の運動を1分子レベルで0.1ミリ秒の時間分解能[通常のビデオ速度の330倍]で追跡する方法を開発したことによって、研究が大きく進展した。これらの方法を用いて、細胞膜での情報伝達分子の局在化、及び、異なった情報伝達経路間のクロストークの制御機構を検討した。 具体的には、まず、脂質(リン脂質、糖脂質)の運動を一分子レベルで観察した。培養繊維芽細胞(NRK)の細胞膜上でリン脂質の運動を1分子レベルで追跡した。細胞膜にフルオレセイン-PEを導入し、これを抗フルオレセイン抗体を介して金コロイドで標識し、その光学顕微鏡像を高速カメラで観察した。0.22msの時間分解能、100msの時間スケールで見ると、NRK細胞の細胞膜上では、約70%のPEがホップ拡散をしていた。即ち、暫時的に直径420nmの膜内のコンパートメントに閉じこめられ、平均160ms毎に隣接したコンパートメントに移動(ホップ)していた。残りの30%は単純ブラウン運動をしていたが、これは、1ミクロン程度の大きいドメイン中では、観察時間100msの間に境界に到達できなかったためだと考えられる。実際、1sの時間スケールで見ると、ほぼ全ての脂質分子がホップ拡散していた(時間分解能は2msにおちる)。 一方、GFPを細胞間接着分子カドヘリン、及び、それに結合して細胞骨格との結合を担うカテニンに結合した分子を遺伝子操作によって作製し、細胞間接着ドメインの形成過程を追跡した。
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