研究概要 |
高度好熱菌RecAについて生化学的解析を行い大腸菌RecAと比較する事によって、DNA分子の相同的組換えに熱の及ぼす効果を見出した(Kato and Kuramitsu,Eur.J.Biochem.inpress)。また、高度好熱菌RecAを用いてその蛋白質間相互作用がカオトロピックイオンによって弱められることを見出し、異なる会合状態におけるRecAの性質について調べた(Masui et al.,Biochemistry37,14788-14797)。 変性実験とプロテアーゼによる限定分解実験から、MutSは4つの構造ドメインからなると推定し、これらのドメインのうち中央部に位置するドメインが2本鎖DNAと相互作用する領域であることを示した(Tachiki et al.,Nucleic Acids Res.26,4153-4159)。また、これら構造ドメインの情報を元にして3つの断片化蛋白質を作成し、中央部のドメインが多量体形成能と2本鎖DNAへの非特異的な結合能を持つこと、及び、C末端ドメインがATP加水分解活性とミスマッチ特異的DNA結合能を持つことを示した(Tachiki et al.,in preparation)。また、溶液中でのMutSの会合状態をX線小角散乱を用いて測定した(Kato et al.,in preparation)。さらに、単独およびADP共存下でMutSの結晶化に成功した。 MutSと相互作用するUvrD,MutLの大量発現系の構築と精製法の確立を行った(Kato et al.,in preparation;Shiba et al.,inpreparation)。 UvrA,Bと傷害DNAとの相互作用を蛍光DNAを用いて定量的に解析した(Yamagata et al.,in preparation)。また、UvrB(Shibata et al.,Acta Cryst.D,in press:Nakagawa et al.,inpreraration)及びMutM(Sugahara et al.,in preparation)の結晶化を行い、現在着実にX線構造解析が進行中である。
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