研究課題/領域番号 |
10179211
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
古久保 哲朗 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (10271587)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 転写因子 / 基本転写因子 / 転写制御 / 転写 / 転写調節機構 / 構造解析 / TPIID / TAF |
研究概要 |
転写制御機構を理解するためには、転写活性化ドメイン(AD)とその標的分子の間に成立する蛋白質間相互作用の実体を明らかにする必要がある。しかしながらADの構造を原子レベルで明らかにすることはこれまで困難とされてきた。われわれはTFIIDサブユニット(TAF)の機能を解析する過程で、(i)出芽酵母yTAF145及びショウジョウバエdTAF230のN末端にはTBPと極めて強く結合し、その機能を阻害する領域(TAND)が存在すること、(ii)TANDは役割分担の異なる二個の小サブドメイン(TANDI,TANDII)から構成されること、(iii)TANDIはADと多くの機能的な共通点を持つことなどを見出した。さらにADとTANDIIの融合蛋白質を用いることにより、TBPとADの安定な複合体を試験管内で作らせることに成功した。そこで本年度はまず、dTAF230のTANDI(dTANDI)とTBPの複合体についてNMRによる立体構造解析を行った(米国・カナダの研究者との共同研究)。その結果、dTANDIは単独では安定な構造を取らず、TBPと結合してはじめてTATAボックス様の構造を取ることが明らかとなった。しかしながらdTANDIはいくつかの点でyTAF145のTANDI(yTANDI)とは性質が異なっており、ADはむしろyTANDIに良く似た性質を示す。われわれはdTANIが高等真核細胞における複雑な転写制御に対応するため、dTANDI/yTANDI両者に共通の機能に加えて、yTANDIには存在しない新たな機能を獲得して進化したのではないかと考えた。そこで欠失変異体解析により、dTANDI中に含まれるyTANDI様の活性領域の有無について検索を行ったところ、二個の独立して機能するyTANDI相当領域を見出した。
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