研究概要 |
(1) Rme1pとUme6pによる転写抑制機構:RmelpとUme6pは,それぞれ減数分裂を開始するIME1およびIME2のrepressorである.最近,我々は,CYCI-lacZをテストプロモータとして用いてそのactivatorであるHap1/2/3pの結合をin vivo UV footprintingによって検出できることを示し,Rme1pが遠隔的に,おそらくクロマチン構造を介してactivatorの結合を阻害することで,IME1の転写が抑制されるというモデルを提唱した(PNAS,94,790,1997).さらに,Rmelpのゲノム上での2つの認識部位を同定した(NAR,26,2329,1998).同様の方法をUme6p-Sin3p-Rpd3p転写抑制系に応用し,Ume6pによる転写抑制機構を検討した結果,Ume6pによる転写抑制が,Rpd3pによるヒストンH4の脱アセチル化だけからは解釈できないという結論を得た.脱アセチル化によるヌクレオソーム構造の安定化の他に,新たな分子機構の存在が示唆された(第21回日本分子生物学会年会,1998). (2) Bme1pの機能構造解析:Rmelpは,タンデムに並んだ3つのZn-fingerモチーフをもつDNA結合蛋白質であるが,このユニークな点は,DNAとの結合にZn-fingerに隣接するC末端領域(CRT)が必須である.このCRT領域に関する点変異の実験を行い,2つの塩基性残基R287,K290と4つの疎水性残基F288/L292,I295/L296がDNAとの結合には必須であることを示した(第21回日本分子生物学会年会,1998).
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