研究課題/領域番号 |
10180206
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小柳津 直樹 東京医科歯科大学, 感染分子制御学講座, 助教授 (00282773)
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研究分担者 |
八木田 秀雄 順天堂大学, 医学部・免疫学講座, 助教授 (30182306)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | T細胞死 / アポトーシス / CD4分子 / TRAIL / gp120 |
研究概要 |
T細胞アポトーシスに関与する分子群としてFas/FasL系に加えTRAIL(TNF-related apoptosis-inducingligand)の関与が近年明らかにされている。我々は末梢血単核細胞(PBMC)にHIV-1 gp120或いは抗CD4抗体を用いてのCD4クロスリンキング[CD4XL]処置により、単球の存在下にFas-FasL相関依存性にCD4^+T細胞選択的アポトーシスを誘導しうることをこれまでに明らかにした。CD4XLに加えての抗CD3抗体処置[CD4XL plusCD3]によりCD8^+T細胞のアポトーシス誘導システムも最近確立した。本年度はこのシステムにおけるTRAIL分子の関与を解析した。[CD4XL]システムではPBMCを抗CD4抗体処理後、抗マウス抗体を固相化プレート上で72時間培養;[CD4XLplusCD3]システムでは末梢血T細胞(PBT)にCD4XL、処置後24時間培養し抗CD3抗体(HIT3a)を添加、更に18時間培養し回収細胞をAnnexin Vあるいはpropidium iodide(PI)にて染色後flowcytometryでアポトーシスを定量した。この系におけるTRAILの関与を抗TRAIL抗体(RIK-2)および可溶性recombinant TRAILを用いて解析した。結果は、抗TRAIL中和抗体は[CD4XL]システムにおけるCD4^+T細胞、[CD4XL plus CD3]システムにおけるCD4^+およびCD8^+T細胞両者のアポトーシス誘導に対し投与量相関をもって抑制した。単球はin vitroの培養により一過性にTRAILを発現した。CD4XLによりCD4^+T細胞においてTRAIL発現が誘導された。可溶型TRAIL処置ではCD4XL、抗CD3抗体処置にかかわらず末梢血T細胞にアポトーシスは誘導し得なかった。上記の結果によりCD4XLによるT細胞アポトーシスにつきFasLに加えTRAILもまた細胞死誘導のeffector moleculeとして作動している声を明らかにした。[CD4XL plus CD3]でのCD8^+T細胞アポトーシス誘導ではTRAILを発現するCD4^+T細胞がその(細胞死誘導の)エフェクター細胞となっておりこの点HIV感染症におけるCTLの減少につき新たな機序の存在を示唆する。可溶型TRAILでT細胞死が誘導出来ない可能性として膜結合型TRAILによる細胞接触依存性細胞死シグナル伝達の機序を考えている。
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