研究課題/領域番号 |
10180209
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
和田 猛 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (90240548)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | アンチセンス核酸 / DNAアナログ / 保護基 / H-ホスホネートDNA / 水酸基選択的ホスホリル化 / 固相合成 / エイズウイルス / mRNA |
研究概要 |
現在、エイズウイルス遺伝子を標的としたアンチセンス法はある種の限界に到達しており、飛躍的な新しいアイディアの出現が待たれているのが現状である。我々はごく最近、アミノ基およびリン酸基に保護基を必要としない全く新しい核酸分子構築法を開発した。従来の核酸合成法では核酸のアミノ基およびリン酸基に塩基性条件下除去される保護基が用いられているために保護基の除去条件下で分解してしまうようなDNAの誘導体を得ることができなかったが、我々の開発した新しい方法を用いればこれらの核酸誘導体が効率良く合成できるはずである。さらに、この新しい核酸合成法の特徴はリン酸よりも酸化度の低いH-ホスホネートDNA中間体を経由するために、この中間体からインターヌクレオチドを修飾した種々のアンチセンス核酸への変換が可能である。そこで、本研究では遊離のアミノ基をもつH-ホスホネートDNAを固相担体上に構築し、これをこれまで合成できなかった種々の新規アンチセンス核酸に変換する試みをおこなった。 まず、すべての新規アンチセンス核酸合成における共通の合成中間体であり、構造的に最も単純なP-H結合をもつH-ホスホネートDNAの合成を検討した。オリゴヌクレオチドの3′および5′末端にヒドロキシヘキシル基を導入することによってインターヌクレオチド結合を安定化することができることを見出し、世界で初めてH-ホスホネートDNAを単離することに成功した。つぎに、このH-ホスホネートDNAを種々の新規アンチセンス核酸に変換する反応について検討したところ、P-NH_2結合をもつホスホロアミデートDNA、P-OCH_3結合をもつメチルホスフェートDNA、P-CH_2OH結合をもつヒドロキシメチルホスホネートDNAを合成することができた。 一方、エイズウイルスmRNAの塩基配列を種々検索し、二次構造と変異頻度を考慮してアンチセンス核酸の標的部位を決定した。この標的部位に対する新規アンチセンス核酸を合成した。今後はこれらの新規アンチセンス核酸を用いたエイズウイルス遺伝子の発現制御の実験をおこなう予定である。
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