研究課題/領域番号 |
10181202
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小林 聡 東北大学, 医学部, 助手 (50292214)
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研究分担者 |
五十嵐 和彦 東北大学, 医学部, 助教授 (00250738)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 血球細胞分化 / 発生 / 転写調節因子 / 転写因子ネットワーク / CNCファミリー / bZipドメイン / BTBドメイン / タンパク質間相互作用 |
研究概要 |
血球細胞特異的な転写因子NF-E2の関連因子として、Bach1,Bach2,Nrf3を単離した。その発現様式と構造的相似性から、これら因子も造血細胞発生過程において機能することが示唆される。現在までに以下の知見を得た。 1 抗体重鎖(IgH)遺伝子のLCR(Locus Control Region)に、複数のMAREを見出した。そのMAREに対し、Bach2は最終分化前のB細胞に発現する転写抑制因子である(EMBO J.(1998)17,5734-43)。一方、Nrf3はB細胞分化の後期に発現する転写活性化因子であることを見出した(J.Biol.Chem.(1999)印刷中)。したがって、Bach2とNrf3とが細胞分化段階に応じて拮抗的にIgH遺伝子発現の調節を行っている可能性が考えられた。 2 BTBドメインは、クロマチン構造の制御や蛋白質間相互作用そして転写抑制に関わることが知られている。そこで、Bach2のBTBドメインと結合する因子を酵母two hybrid systemにより検索したところ、新たなBTB転写因子FOB(Friend of Bach)を単離することができた。その発現は胸腺、胎児肝、骨髄で著しいが、特にBach2と同様に幼弱なpro-B、pre-B細胞で高く発現していた。このことは、IgH鎖遺伝子の発現抑制において、Bach2とFOBが協調的に機能している可能性を示した。 今後の方針としては、現在進行中のNrf3、FOB、Bach2ノックアウトマウスの解析を完了する。またBach1については予備的解析を行ったところ、造血細胞分化調節に関与することが示唆された。
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