研究課題/領域番号 |
10181221
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
古川 雄祐 自治医科大学, 医学部, 講師 (00199431)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 造血幹細胞 / 細胞周期 / 転写因子 / E2F / RB / p130 / インターフェロン |
研究概要 |
造血幹細胞のG0/G1期停止の分子機構につき、転写因子E2Fの役割を中心として研究を行い、以下のような結果を得た。 (1) 造血幹細胞におけるE2Fの発現、機能とその調節機構の解明:正常骨髄由来のCD34陽性細胞におけるE2Fの発現をRT-PCRおよびgel-shift assayを用いて解析し、転写促進性のサブユニットであるE2F-1の抑制と転写抑制性のE2F-4/pRB、E2F-4/p130複合体の高発現があることを見い出した。このため造血幹細胞においては、E2F依存性の細胞周期調節因子であるcdc2、cyclinB、cyclinEなどの発現が抑制されており、細胞回転が停止していることが推測された(Blood投稿中)。終末分化上皮細胞ではこのようなパターンは認められず、血液幹細胞に特異的な現象と考えられた。さらに幹細胞において転写活性化ドメインを欠く特殊なサブユニットであるE2F-6の発現が高いことを見い出しており、現在その意義について解析中である。 (2) 造血抑制サイトカインinterferon(IFN)による幹細胞増殖抑制におけるE2Fの役割:幹細胞の細胞周期停止にはIFNの作用が重要と考えられているが、IFNによる増殖抑制にE2Fが関与していることを見い出した。即ち、IFNは主要サブユニットであるE2F-1の活性を抑制することにより細胞をG0/G1期に停止させる(J.Biol.Chem.272:12406-12414,1997)。さらにその機序として、IFNによってE2F-1プロモーター上に転写抑制性複合体であるE2F-4/pRB、E2F-4/p130の形成が誘導され、その結果転写が抑制されることがわかった(Oncogene誌4月号に掲載予定)。
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