研究課題/領域番号 |
10203201
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
澤田 安樹 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90115577)
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研究分担者 |
大野 裕三 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (00282012)
江澤 潤一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90133925)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
2000年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 量子ホール効果 / 複合ボソン / 活性化エネルギー / 層間コヒーレンス / ボーズ凝縮 / スカーミオン / 擬スピン / スピン / ホールプラトー / 層間コヒーレント / ガリウム砒素 / ホールプラントー |
研究概要 |
2層2次元電子系の量子ホール状態では、層間コヒーレンスによって、超伝導ジョセフソン効果と同様なマクロ・コヒーレンス現象が期待できる。このような量子ホール状態であるためには、不確定性関係から2層の密度差に対して安定な量子ホール状態でなければならない。我々はこの点に着目して実験を行った。その結果、ν=1量子ホール状態は期待通り密度差に対して安定な量子ホール状態であった。また意外にもν=2量子ホール状態は2種類あり、低電子密度で安定な状態はν=1状態と同様に密度差に対して安定な状態であった。従ってこれらの量子ホール状態にはマクロ・コヒーレンス現象が期待できることが明らかになった。さらに高移動度の試料で同様な測定を行ったところ、ν=4n(nは自然数)以外の整数量子ホール状態は密度差に対して安定であることが明らかになった。この規則的な振る舞いは、電子1個を擬スピン1/2として明解に説明できる。もちろんこの状態にもマクロ・コヒーレンス現象が期待できる。さらに、高電子密度で安定なν=2状態は、それぞれの層でν=1量子ホール状態ができていると考えてよい。1層系のν=1状態ではスピンが同時反転するスカーミオン励起が存在することが知られている。これもマクロ・コヒーレンス現象のひとつであると考えられる。従って2層系のν=2状態でも同様にスカーミオン励起が期待できる。試料に横磁場を加えて活性化エネルギーの磁場依存性を測定する実験を行った結果、トンネル相互作用の大きな試料の場合には1層系の2倍の14個のスピン反転が観測された。これはトンネル相互作用によって2層で同時にスカーミオン励起が発生していることを意味する。
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