研究課題/領域番号 |
10203202
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 青山学院大学 (1999-2001) 筑波大学 (1998) |
研究代表者 |
久保 健 青山学院大学, 理工学部, 教授 (30015862)
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研究分担者 |
桃井 勉 筑波大学, 物理学系, 助手 (80292499)
羽田野 直道 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (70251402)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ヘリウム3固体 / 薄膜 / 多体交換 / スピン模型 / カイラル相転移 / 磁化プラトー / フラストレーション / モンテカルロ法 / ヘリウム3固体薄膜 / 3角格子 / 非整合整合相転移 / スピン波 / カイラリティー / 相転移 / 多体交換相互作用 / ^3He薄膜固体 / 三角格子 |
研究概要 |
1.我々は3角格子上の4体交換相互作用を含む多体交換スピン模型について理論的に研究し、以下の結果を得た。 (a)4体相互作用が強い領域ではスカラーカイラリティを持つ4面体状態が実現することが我々の研究で明らかになったが、さらにその相転移をモンテカルロ計算によって詳しく調べた結果、有限温度の相転移は1次転移であることが明らかになった。 (b)2体交換が強磁性的でそれほど強くない中間領域で、外部磁場をかけると磁化曲線に平坦な部分(1/2プラトー)が現われる事が分子場近似と量子系の有限対角化の方法により示され、このときの状態が並進対称性の破れたuuud状態であることが確立された。また有限温度ではシャープな相転移を示す事もモンテカルロ計算を用いて示された。このプラトーおよび相転移はヘリウム3薄膜において5〜10Tの磁場および数mKの温度で実現することが予想される (c)反強磁性2体相互作用の強い領域に4体相互作用を加えて行くと120度スピン構造が不安定になることがスピン波の計算で示されていたが、そこでどのような基底状態が実現するのか従来不明であった。我々は大きな(最大144)副格子構造を仮定し、共役傾斜法を用いて基底状態を探索した。その結果、パラメタの変化に伴ないこれまで知られていなかった様々な基底状態が現われる事を見出した。120度スピン構造の不安定化によって生ずる状態は6副格子をもつ状態である。強磁性状態についても、従来の結果より弱い4体交換相互作用によって不安定化し12副格子構造を持つ状態に移る事が明らかになった。また外部磁場の効果についても調べ、磁場によって新しい基底状態が実現する事が明らかになった。 2.ヘリウム3薄膜固体は密度が増加すると非整合相から整合相へ相転移するが、我々はこの相転移を格子欠陥(ソリトン)の集合の相転移として捉え、理論的な解析を行い、この相転移の性格を明らかにした。 3.フラストレーション系に有効なマルチカノニカル・モンテカルロ法を改良し、3次元のイジングスピングラスに適用した。その結果スピングラス相の液滴描像を支持する結果を得た。
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