研究分担者 |
矢山 英樹 九州大学, 理学研究科, 助教授 (60166840)
白濱 圭也 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (70251486)
椋田 秀和 東京大学, 物性研究所, 助手 (90323633)
KIRICHEK Oleg 東京大学, 物性研究所, COE研究員
川村 光 大阪大学, 理学研究科, 教授 (30153018)
新井 敏一 東京大学, 物性研究所, COE研究員
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配分額 *注記 |
45,400千円 (直接経費: 45,400千円)
2000年度: 11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
1999年度: 13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
1998年度: 20,000千円 (直接経費: 20,000千円)
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研究概要 |
本研究では,超流動^3He薄膜の性質を明らかにするために,インターディジタル(ID)電極を用いた第3音波の検出とHe膜上の2次元電子系の研究を行った. ヘリウム液面上においたID電極に電圧を加えて超流動ヘリウム3薄膜を駆動し,フィルムフローを観測することに成功した.パルクなヘリウム3と液面上の検出用ID電極を結ぶ経路に超流動が破壊されていている箇所が存在することが示唆された.このことを明確にするために,ID電極をのせた基盤を垂直に配置して,バルクなヘリウム3とID電極の間に,鋭利な角ができない構造の実験セルを製作し,測定を行った. ID電極を用いた第3音波の検出はID電極の周期である,10μm程度の波長の第3音波を検出することを目指して開始したが,期待する信号を得ることができなかった.このように比較的短い波長の第3音波は十分に温度が下がるまで,準粒子の表面による散乱による減衰が大きいことが推察された.そこで,2重ロックイン法を採用することで,高周波でID電極の容量を測定しながら,ゆっくりとした電圧変動によって長波長の第3音波を励起することを試している.ヘリウム4では期待する共鳴を見ることができた.ヘリウム3での測定は今後の課題である. 2次元電子を用いたヘリウム膜の研究は,バルクなヘリウム3表面上の2次元電子での実験を行い,ヘリウム膜への応用を検討してた.ヘリウム膜上に高密度の2次元電子系を実現してウィグナー結晶の量子融解を観測することなどが今後の興味ある課題である.
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