配分額 *注記 |
47,200千円 (直接経費: 47,200千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1998年度: 38,500千円 (直接経費: 38,500千円)
|
研究概要 |
1次元メゾ多孔体のFSM-16の細孔直径が18Aの基盤に吸着した4Heについて,吸着圧力測定を0.5Kまでの低温で0.1Paの精度まで測定して,吸着エネルギーおよび吸着膜の圧縮率の吸着密度依存を正確に測定できるようにした.その結果18A細孔壁面で,2層目までの層形成を見いだし,2層目がボース流体になることを突きとめた.比熱測定からは相互作用のある1次元ボース流体に特有の1次元フォノン比熱を観測して,それから液体のフォノン音速を求めた.一方,正確に測定された等温吸着圧力からもフォノン音速が求められ,両者は定量的にも一致した.これは直径10A程度の円筒の形状の2層目の4He液体薄膜が,1次元ボース流体であることを検証したものといえる. 同じ1次元細孔に吸着した3Heについても,2層目がフェルミ液体にあることを80mKまでの比熱測定で確認した.このフェルミ液体の1次元性を調べるために,核断熱消磁冷凍機において,現在超低温比熱計測装置の調整を行っている.この装置を用いて,更に低温で比熱やNMR等の測定を行う. ヘクトライト上3Heフェルミ流体については,その比熱で密度依存を調べ,密度の増加とともに局在-2Dフェルミ液体-モット・ハバード転移の可能性を明らかにした.また2Dフェルミ液体では2次元特有の大きなスピンゆらぎや密度ゆらぎを見いだした.ヘクトライト上4Heと3Heについては,約10MHzで超音波測定を行い,超流動が存在していない少ない吸着量でも,低温では吸着原子がスリップし,高温で吸着原子が基盤とともに振動することを見いだした.
|