研究課題/領域番号 |
10203205
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石本 英彦 東京大学, 物性研究所, 教授 (60044773)
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研究分担者 |
山口 明 東京大学, 物性研究所, 助手 (10302639)
柄木 良友 東京大学, 物性研究所, 助手 (30186027)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
21,600千円 (直接経費: 21,600千円)
2000年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1999年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1998年度: 9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
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キーワード | 超流動 / フラストレーション / 三角格子 / スピン液体 / 多体交換相互作用 / 量子スピン系 / 量子固体 / 量子流体 / 子流体 |
研究概要 |
グラフォイル基盤に吸着された数原子層以下のヘリウム3は、非常にきれいで理想的な2次元フェルミ系を形成し、吸着量を変えることにより液相と固相が同じ試料セルで実現出来る。このうち吸着第二層の反強磁性領域の固相は、三角格子であると共に幾つかの多体交換相互作用の競合によるフラストレーションの大きな系で、その基底状態は長距離秩序のないスピン液体ではないかという予想がある。しかしその相互作用は約1mK程度であり、現在の測定温度領域では未だはっきりした結論に至っていない。ところがグラフォイルにHDをプリコートすると、その上に非常に低密度のヘリウム3固相を実現することが出来るので、より低い有効温度までの測定が可能となる。二層および三層のHDをプリコートしたグラフォイル上の単原子膜固体ヘリウム3の磁化測定が、できるだけ低周波のNMRを用いて初めて0.1mKの低温まで行われた。その結果、振舞はどちらの場合もほぼ同じであることが判った。即ち交換相互作用の大きさ(J)がほとんど変わらないこと、面密度を増やすと相互作用が反強磁性から強磁性に変化することなどである。反強磁性領域では、高温部のキューリーワイス則が交換相互作用(J)よりも小さい温度域までも良く成立している。しかしT=0.1mK即ちT/J=0.025においても相転移の兆候はなく磁化はゆるやかな増加を示しており、スピンギャップはあっても非常に小さいと考えられる。さらに磁化の温度依存性は限られた低密度領域では、T/Jのみの関数として表わせることが明らかになった。この原因を探るため、高温部の温度依存性を多体交換モデルの高温展開で解析したところ、二体交換に比べて三体交換が大きいこと、又これらと四体交換相互作用が密度依存性がほとんど同じであることが判明した。
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