研究課題/領域番号 |
10203207
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
奥田 雄一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50135670)
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研究分担者 |
野村 竜司 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (00323783)
松本 宏一 金沢大学, 理工学部, 助教授 (10219496)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
45,800千円 (直接経費: 45,800千円)
2000年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1999年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
1998年度: 33,000千円 (直接経費: 33,000千円)
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キーワード | 液体3He / フェルミ液体 / 表面張力 / 磁気的相互作用 / フェルミ縮退 / 超流動3He / 第ゼロ音波 / 多体交換相互作用 / ゼロ音波 |
研究概要 |
液体3Heの常流動相における表面張力の温度依存性が150mK以下の低温での測定は温度変化は非常に小さいことに加えて、100mK付近に小さいながら紛れもなくピークがあることがわかった。さらに三沢の理論を用いることで、小さなピークを説明をすることが出来た。それらは、現在論文にまとめる作業中である。 以上をまとめると、次のようになる。 1.液体^3He自由表面近傍で、密度が急激に変化しているところは、局所エントロピーの考えが成り立つとしてよい。 2.フェルミ縮退している領域で、表面張力の温度依存性を示す最初の項はT^2であるが、相反する効果のためその係数はほとんどゼロになる。温度依存性が100mK以下で極めて小さいことに対応している。 3.相反する効果の意味は、次のようなものである。密度が急激に小さくなるところで、フェルミエネルギー密度がバルクの値よりも一旦小さくなった後、急激に大きくなるために、T^2の係数は限りなくゼロに近くなる。 4.T^2の項が極めて小さいとさらにその次の項が効いてくる。その次の項の関数形は強く相互作用する^3Heの磁気モデルに敏感になってくるが、ここでは三沢理論によって(nearly metaganetic modelに近い)T^4ln(T/T*)の項を取り入れた。T*がフィッティングパラメータになるが、実験結果を見事に再現する事ができた。 5.以上、表面張力の精密測定から、液体3Heの磁気モデルについての重要な指針が得られた。 その他、ゼロ音波による超流動3He表面での実験の準備が進み、来年度早々に実験に入れる体勢が整った。 さらに、本計画研究で購入された希釈冷凍機が順調に運転されることが確認され、本格実験がスタート出来ることになった。
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