研究課題/領域番号 |
10203208
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大見 哲巨 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70025435)
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研究分担者 |
中原 幹夫 近畿大学, 理工学部, 教授 (90189019)
池田 隆介 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60221751)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 超流動ヘリウム3薄膜 / スピン自由度を持つBEC / 渦糸グラス相 / 超流動転移温度 / トポロジカルな欠陥 |
研究概要 |
大見と中原は超流動ヘリウム3薄膜とスピン自由度を持つBECについての、一方池田は主に超伝導渦糸のグラス相の研究を行ない次のような成果をあげた。 1.超流動^3He薄膜:膜の厚さがコヒーレンス長より薄い超流動薄膜において、壁での境界条件をスペキュラーと仮定すると、1ベクトルが膜に垂直方向を向いたP波ABM状態の転移温度が一番高くなることを示した。また、その転移温度が膜の厚さを変化させると振動し、膜厚が薄くなるとともに高くなるという興味深い結果を得た。 2.スピン自由度を持つBEC:アルカリ原子はスピンを持っている。磁気トラップされたBECではスピンは磁場方向に固定されているが光学にトラップするとスピンは自由に動ける。我々はこのスピンの自由度が生きている系の性質を調べた。この系では超流動の秩序変数が多成分であるため、条件によっては相分離が起きる。我々はスピンドメインとそのドメイン壁の構造を明らかにした。また、多成分特有の性質として、超流動相が複数あることも示した。一方、スピンが磁場の方向を向いていることから磁場によりスピンをコントロールできる。我々は磁場を変化させて渦を生成する具体的な方法も提案した。 3.渦糸グラス相:二次元性が強く、揺らぎの大きい、例えば高温超伝導体における温度・磁場相図は通常の超伝導体と大きく異なっている。揺らぎの大きい系で磁場がかかった状態では点欠陥、線欠陥等の欠陥の存在を考慮することが不可欠で、またふたつの欠陥は超伝導状態に異なった影響をおよぼす。欠陥の影響を正しく考慮することで温度・磁場相図に渦糸グラス相と呼ばれる相が存在することまたその相がどのような相であるかということを明らかにした。
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