研究概要 |
インターネット,マルチメディアネットワーク,移動体通信等の急激な普及にみられるような,近年における計算機や,情報通信技術の高度化に起因して新たに出現してきた問題の多くは,離散的構造を持つ.そこで,我々のグループでは,それらの問題に対して,グラフ・ネットワーク問題によるモデル化を行ない,その構造的な特徴を解明することによって,効率の良い解法を求めてきた. その結果,高度情報通信網,及び,その信頼性に関して,ある種のグラフ上のハミルトン閉路問題,2本の辺素な路問題,故障すると中継数が増大する端末を求める問題,また,高度情報通信網のモデル化とサーバーミラー配置,及び,移動体通信システムにおいて基地局への担当領域の割り当てに関連した問題等について成果を得た. また,未解決であったハムサンドイッチ定理の一般化等,離散幾何学,及び,一般化詰将棋問題等の離散構造を有するゲーム・パズルの計算複雑さに関して共に成果を得た.更に,離散最適化手法を用いた並列,ないし,分散負荷分散問題の解法,及び,専用計算回路の部分グラフ同型問題等の計算困難問題への適用についても実用上有用な成果を得た. 高度情報通信網上で提供されている大量の情報の活用を支援するための基礎技術として重要な情報検索,および,テキスト自動要約とその周辺の研究もTVニュース字幕生成のための要約,複数記事の要約,更には,要約に必要な換言知識の自動獲得,及び,それらのための基礎技術である構文解析等について成果を得た.
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