配分額 *注記 |
10,900千円 (直接経費: 10,900千円)
2000年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1999年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1998年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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研究概要 |
本研究では,N台のプロセッサを√<N>×√<N>のメッシュ状に配置した並列計算モデルを対象とする.各プロセッサは上下左右のプロセッサとのみ通信が可能であり,1ステップで自分の持っているデータを隣接するいずれかのプロセッサに送ることができる.各プロセッサの持つキューのサイズは定数である.すなわち,定数個のデータしか蓄えておくことができない. ここでは,全置換ラウティング問題を考える.各プロセッサは,N台のプロセッサのうちのいずれかのプロセッサを宛先とするパケットを持っている.ただし,異なるプロセッサの持つパケットの行き先は異なるものとする.全てのパケットが目的のプロセッサへ移動するまでの時間をアルゴリズムの評価尺度とする.メッシュ網の直径は2√<N>であるにも関わらず,これまでに知られていた上限はO(N)時間であり,この上限を改良できるかどうかは長い間未解決のまま残っていた.しかし,1998年に我々のグループにより,上限をO(N^<0.75>)時間まで改良可能であることが示された. 当該研究期間には,計算時間の改良を中心に研究を行ない結果を得た.まず,ビット反転置換という手法を用いることにより,O(√<N>)時間にまで高速化できることを示した.しかし,この場合の定数係数は1000を超えるものであった.そこで,定数係数の削減を目標とし,上記のビット反転置換を詳しく解析することで(2.954+ε)√<N>時間のアルゴリズムを与えた.
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