配分額 *注記 |
17,500千円 (直接経費: 17,500千円)
2000年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1999年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1998年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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研究概要 |
本研究では,比較的容易に解ける問題の組合せ的構造を詳細に吟味し,それらの構造の本質を明らかにするとともに,効率的なアルゴリズムを設計するための統一的な指針を与えることを目的とした.主要な成果は以下の通りである. 本研究の第1の成果は,劣モジュラ関数最小化に関する長年の未解決問題であった組合せ的な強多項式時間アルゴリズムの構成に成功したことである.この結果は,離散最適化分野に大きなインパクトを与えた.さらに,この成果に続いて,劣モジュラ関数最小化に関する完全に組合せ的な強多項式時間アルゴリズムの開発,ならびに,劣モジュラ関数の一般化である双劣モジュラ関数最小化の組合せ的多項式時間アルゴリズムの開発を行った. 第2の成果は,ネットワーク上の最適化問題に関する研究である,流量条件をみたす施設配置問題を考察し,高速なアルゴリズムを開発した.また,最小カット問題のL_∞-ミニマックス型逆最適化問題の(パラメトリック手法を用いた)高速アルゴリズムの開発,ならびに,一般化フローに関連する複基多面体の特徴付けに成功した. 第3の成果として,分散システムにおいて用いられるコテリのなかで,最適コテリを求める多項式時間アルゴリズムの開発,ならびに,データ発掘,学習理論の分野で現れるハイパーグラフの部分横断列挙問題,多重横断列挙問題の擬多項式時間アルゴリズムの開発に成功した. その他の主要な成果としては,不可分財のあるマッチング(均衡)モデルにおける粗代替条件が,それに関係する集合関数がM^*-凹関数であることと等価であることを示し,経済均衡解析と劣モジュラ性との深い関わりを明らかにした.
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