研究課題/領域番号 |
10206210
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
谷村 吉隆 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (20270465)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
17,100千円 (直接経費: 17,100千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1998年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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キーワード | 2次元ラマン分光 / 5次光学過程 / 量子ブラウン運動 / 不均一広がり / フォッカー・プランク方程式 / トンネル過程 / ブラウン運動 / トンネル現象 / 2次元赤外分光 |
研究概要 |
本研究は、非線形に熱浴と相互作用したブラン運動モデルや量子回転子モデル等、統計力学的なさまざまなモデルを用いて、凝縮相中の分子のプロトン移動反応や電子移動反応等の量子動力学的ふるまいを調べることおとび、そのような効果が2次元分光スペクトルに及ぼす効果について調べることを目的とした。多次元相関関数の計算は、新たに導出した量子フォッカー・プランク方程式や、経路積分の新しい定式化を用いて行った。非線形の熱浴相互作用に関しては、5次の2次元ラマン分光信号と、3次の2次元赤外分光信号(それぞれ2次の赤外分光過程と7次のラマン分光過程に対応)に関係した座標の3体と4体の相関関数について、ガウスマルコフ型非線形量子フォッカー・プランク方程式を数値積分することにより計算し、分子の振動子がノイズの相関関数の長さに応じて不均一から均一広がり分布変化する徳井なふるまいを、2次元分光信号の変化としてとらえられることを示した。 また、2次元回転系の2次元分光についても、経路積分を用いて解析に求めた標識を使い、さまざまな条件下で詳細な解析を行った。回転系の1次元スペクトルでは、緩和をいれるとピークが大きく広がり量子的効果を観測することが困難であるが、2次元分光を用いると異なる準位に対する量子的遷移が、緩和が大きな場合も明瞭に観測され、量子効果を調べるのに有効な手段であることがわかった。 以上の結果は9本のJCPやCPL等英文の論文としてまとめられ、発表した。
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