研究課題/領域番号 |
10208103
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岡本 佳男 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60029501)
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研究分担者 |
原田 宣之 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (30006324)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 多糖誘導体 / 光学分割 / 高速液体クロマトグラフィー / キラル固定相 / 薄相クロマトグラフィー / 固定化 / 励起子カイラリティー法 / 分子モーター / シクロアルキルカルバメート / HPLC / CD励起子法 / CDスペクトル / TLC / トランス-シス異性化 / アルキルカルバメート / キチン / 不斉識別 |
研究概要 |
1.セルロースやアミロースのシクロアルキルカルバメート誘導体がHPLC用キラル固定相として高い光学分割能を有することを見いだした。また、UV吸収を有していないこれら誘導体をTLC用のキラル固定相に用いたところ、光学分割とUV照射によるスポットの検出に成功し、実用的なキラルTLCプレートとなりうることを明らかにした。また、キチンを用いて新規キラル固定相の開発を行い、3,5-ジメチル、および3,5-ジクロロフェニルカルバメート誘導体が高い光学分割能を示すことを見出した。キチン誘導体は溶媒への溶解性が低く、セルロースやアミロース誘導体のカラムでは使用することのできないクロロホルムなどの溶媒を溶離液に添加した系で分析を行うことが可能であり、様々な溶媒が使用可能な、分割能・耐久性の優れた実用性の高いキラル固定相になることを明らかにした。さらに、セルロース誘導体のシリカゲルへの固定化による、多様な分離条件に使用可能な次世代型キラル充填剤の開発についても成果を得た。(岡本) 2.単一官能基キラル分子の絶対配置を励起子カイラリティー法で決定する方法の検討を行った。CD補助基として2つの発色団を持つアキラルなCD補助基を開発し、これを単一官能基のキラル分子に結合させるとキラリティーの伝播が生じて2つの発色団がキラル立体配座をとり、そのCDスペクトルが励起子分裂型Cotton効果をとることを見出した。分子の立体配座解析の理論計算と、実測CDと比較することで、もとの単一官能基化合物の絶対立体化学を決定できる。また、1個の分子が機械として作動する「分子機械」の1つである「光動力キラル分子モーター」を世界で初めて開発した。「ツメ歯車効果」により回転方向の制御に成功し、回転方向は分子のキラリティーにより制御され、光照射を繰り返すことで連続回転する。これを円二色性スペクトルで実証でき、光エネルギーで一方向のみに回転する「分子モーター」の構築に成功した。(原田)
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