研究課題/領域番号 |
10208206
|
研究種目 |
特定領域研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岡本 佳男 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60029501)
|
研究分担者 |
吉川 正和 京都工芸繊維大学, 高分子学科, 教授 (60158417)
宮田 幹二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029322)
八島 栄次 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50191101)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
43,400千円 (直接経費: 43,400千円)
2000年度: 13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
1999年度: 14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
1998年度: 14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
|
キーワード | 多糖誘導体 / 光学分割 / 高速液体クロマトグラフィー / キラル固定相 / ステロイド / 包接結晶 / 膜 / 分子インプリント / 分子インプリント法 / 包接結晶化法 / 胆汁酸ステロイド |
研究概要 |
1.UV吸収を有していない多糖シクロアルキルカルバメート誘導体の合成を行い、これらがHPLC用キラル固定相のみならず、TLC用のキラル固定相としても高い光学分割能を有することを見いだし、UV照射によるスポットの検出に成功した。また、キチン誘導体がHPLC用キラル固定相として高い光学分割能を有することを見出し、使用可能な溶離液について検討を行ったところ、そのいくつかが従来の多糖誘導体では使用できないクロロホルムを溶離液に添加した系で使用できることを見出した。さらに、キチン誘導体は水/メタノールの逆相系でも高い光学分割能を示し、順相では分割できないラセミ体を分割するなど、用いる溶離液によって異なった光学分割能を有することを明らかとし、キチン誘導体のキラル固定相としての高い有用性を見出した。(岡本) 2.キラルなホスト分子によるキラルな包接場の構築法を構造学的に調べるとともに、そのような場でのキラル認識とキラル誘導に関する研究を行った。その結果、ステロイドやアルカロイドの場合、らせん集合によるキラルな一次元テープが生成し、この多様な集積で階層構造を作ることが、多数の包接結晶で見つけられた。また、キラル包接場をX線構造データに基づき定量的に理解する方法を提出し、ゲスト依存的な立体融通性を明確にした。さらに、ナフタレンなどの芳香族分子とブタジエン誘導体との有機塩では、キラルな二次元包接場が生成し、ほぼ完全なキラル誘導重合の起こることを確認した。(宮田) 3.不斉認識部位形成候補物質であるオリゴペプチド誘導体を構成する構成アミノ酸残基の絶対配置の不斉認識への影響を検討する目的で、D-体ならびにL-体より構成される2種類のテトラペプチド誘導体(DLDE-誘導体)を新たに調製した。鋳型分子にAc-D-TrpあるいはAc-L-Trpを用い4通りの組合せの鋳型膜を得た。その結果、D-体より構成されるDLDE-誘導体にD-体を鋳型分子として用いた場合D-体認識部位が鋳型膜内に形成されるが、L-体の鋳型分子ではそのような不斉認識部位は形成されない。また、L-体より構成されるDLDE-誘導体を採用した場合、その逆の結果が得られることを明らかにした。(吉川)
|