配分額 *注記 |
46,100千円 (直接経費: 46,100千円)
2001年度: 11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
2000年度: 14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
1999年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
1998年度: 11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
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研究概要 |
電磁力を利用し,溶融金属中の速度変動に着目して流速を求める非接触式流速センサーには2種類の方式が可能である.一つは流れの中にもともと存在する渦に基づく速度変動を利用する方式であり,他の一つは外部から強制的に速度変動を与える方式である.前者についてはJuliusらの報告書に詳しい.本年度は後者の方式を対象として,開発を行った.原理は以下のようになっている. 溶融金属の自由表面へ発信コイルで変動磁場を与え,適当な距離をおいて二つの受信コイルを設置する.発信コイルで周波数が既知の波立ちを与えると,この波は流れの上流側と下流側へ伝播していくが,上流へ伝わる時間の方が下流へ伝わる時間よりも長くなるため.二つの受信コイルの信号には時間遅れが生じる.そこで,この時間遅れと受信コイル間距離を用いると.溶融金属の流速が求まる.なお,実際の流れ場には鋳型の振動などに起因するいろいろな周波数の波が存在するが,発信コイルで生じさせた波の周波数は既知であるので,弁別は容易である.ただし,波の伝播速度を知る必要があるが,これには幾つかの測定法が適用でき,精度よく求めることは容易である. 本年度は,どの程度の精度で検出可能であるのかを調べるために,ウッドメタル浴を用い,発信コイル(馬蹄型コイル)の周波数,二つのコイル間距離,液面からコイルまでの距離などを広範囲に変化させて実験を行った.受信コイルとしては既存の渦電流レベル計を用いた.馬蹄型コイルの印加周波数が100kHz,電流が10A,液面とコイル間の距離が2mm,二つのコイル間の距離が100mm,波立ちの周波数が0.8Hzのとき,60cm/sの速度まで精度良く測定できた.なお,波の伝播速度は70cm/sである.これによって,連続鋳造鋳型内の溶鋼流速を非接触で精度良く測定できる可能性が見えてきた.
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