研究課題
特定領域研究(B)
疎密波は、結晶粒微細化、脱ガス、気液反応の促進など、液体金属に対して種々の冶金学的効果を示すものの、振動子の出力が弱いこと、伝達子が溶損されること等の理由により工業的に利用されていない。一方、交流電磁場を液体金属に印加することにより疎密波を生成できることは理論的に知られている。この方法は非接触操作であること、疎密波強度を自由に変化させることができその上限がないこと、などの特長を有するため上述の問題を解決できる有力なプロセスと考えられる。この研究では、電磁場を用いた疎密波生成方法の提案を行うとともに、工業的に有用な機能(ここでは凝固組織の微細化)の発現を試みた。生成方法については、静磁場と交流磁場の局所重畳印加法と静磁場と交流電流の局所重畳印加法の提案を行い、いずれの方法でも疎密波が生成可能であることを理論解析と実験の両面から明らかにした。また、後者の方法で生成された疎密波を錫-鉛合金の凝固中に印加することによって凝固組織が微細化可能であることを示した。アルフベン波は、主として天文物理学の分野で研究がなされてきたが、近年の超伝導磁石の発達により液体金属内にも伝播可能な条件が整いつつある。そこで、プロセス制御ツールとしての利用を目指して、アルフベン波が液体金属内で生成可能な条件を明らかにするとともに実験でその検知を行った。また、電磁場を使ったアルフベン波の生成方法を提案するとともにその理論解析、実験を行い、提案した方法でアルフベン波が生成可能であることを確認した。また、錫-鉛合金の凝固中にアルフベン波を印加することにより凝固組織を微細化できた。
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