研究課題/領域番号 |
10212204
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | (財)応用生化学研究所 (1999-2001) 岐阜大学 (1998) |
研究代表者 |
野澤 義則 (野沢 義則) (財)応用生化学研究所, 部長 (10021362)
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研究分担者 |
坂野 喜子 岐阜大学, 医学部, 助教授 (50116852)
田中 雅嗣 (財)応用生化学研究所, 部長 (60155166)
赤尾 幸博 (財)応用生化学研究所, 部長 (00222505)
中島 茂 岐阜大学, 医学部, 教授 (60188935)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
33,700千円 (直接経費: 33,700千円)
2001年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
2000年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
1999年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
1998年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
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キーワード | ホスホリパーゼD / 抗アポトーシス作用 / スフィンゴシン1-リン酸 / PI3キナーゼ / Akt / 癌化 / H_2O_2 / ERK / P38MAPK / 遺伝子導入 / 細胞機能解析 / 情報変換酵素 / 情報伝達 / 分泌応答 / 増殖 / 分化 / アポトーシス / 老化 |
研究概要 |
ホスホリパーゼD(PLD)アイソザイムPLD1,2の細胞機能における役割を明らかにするために、PLD1,2cDNAを一過性に細胞に導入し、細胞機能やとシグナル伝達系の影響を検討した。PC12細胞ではH_2O_2や低酸素によるアポトーシス誘導初期にホスホリパーゼD(PLD)活性が一過性に上昇した。H_2O_2によるPLDの活性化はMAPキナーゼファミリー(ERK, p38MAPキナーゼ)を介して活性化され、PLD2に特異的であった。また、PLD2を過剰発現させると低酸素によるアポトーシス誘導が抑制されることより、PLDはアポトーシスに抑制的に作用することが示唆された。さらに、スフィンゴシン1-リン酸(S1P)はsurvivalシグナルに関与することが知られているが、S1P受容体EDG3を過剰発現したCHO細胞を用いて、S1P刺激によるPLD活性化,PI3キナーゼ・Aktの活性化を検討した。S1P刺激によりPI3キナーゼ、Aktが活性化されるが、1-ブタノールにより阻害されるが、2-ブタノールでは影響されず、また、wild PLD1やcatalytically negative PLD1の過剰発現により、S1P刺激によるAktの活性化は、前者で促進され、後者で抑制された。さらに、Streptomyces cromofuscus PLD処理によりPI3キナーゼ・Aktの活性化が引き起こされた。これらの結果から、PLDはsurvivalシグナルとして知られているPI3キナーゼ・Aktの活性化を介してアポトーシス防御に関与することが推測された。 また、ヒト腎がん組織における著しい高いPLD活性が認められた。PLD2の抗体を用いて組織染色を行い、正常組織に比べて腎がんの核にPLD2が特異的に局在することが認められ、PLD2の増殖への関与が示唆された。
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