研究課題/領域番号 |
10213205
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田中 一馬 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (60188290)
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研究分担者 |
松井 泰 東京大学, 理学研究科, 助手 (50229407)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
67,600千円 (直接経費: 67,600千円)
2001年度: 17,600千円 (直接経費: 17,600千円)
2000年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
1999年度: 18,700千円 (直接経費: 18,700千円)
1998年度: 13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
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キーワード | Rho / 細胞質分裂 / アクチン細胞骨格 / WASP / ミオシンモーター / アダプター蛋白質 / Cytokinesis / 低分子量G蛋白質 / アクチン系 / 出芽酵母 / プロフィリン / 細胞極性 |
研究概要 |
Rho低分子量G蛋白質がアクチン細胞骨格系を介して細胞質分裂を制御していることが知られている。本研究では、出芽酵母を用いて細胞質分裂の制御機構について解析し、以下の成果を得た。 Rho familyの一つであるCdc42は、アクチンやセプチンのオーガニゼーションを介して出芽過程を制御するが、この出芽部位はそのまま細胞質分裂部位となる。Cdc42はそのエフェクターであるCla4、Ste20、Bni1、Gic1、Gic2を介して作用を発揮する。これまで、Gic1、Gic2の機能については不明な点が多かった。今回、Gic1、Gic2がCdc42に結合して下流にシグナルを流すわけではなく、Cdc42に直接作用しているらしいことを明らかにした。Gic1、Gic2の変異株は、高温で増殖欠損となるが、これはCdc42の高発現によって抑圧される。さらに、この抑圧はCdc42のエフェクターの変異では解消されない。すなわち、Gic1、Gic2の増殖欠損は、Cdc42そのものに生じている問題によることが明らかとなった。さらに、Gic1、Gic2の変異株では、Cdc42の局在が異常となっていた。このように、私達は、Cdc42のエフェクターの標的がCdc42そのものであるという、全く新しい作用機構を解明した。(投稿準備中) 出芽酵母で細胞質分裂などの細胞表層伸長に重要なクラスVミオシン(Myo2)の機能制御について解析した。クラスVミオシンにRab型の低分子量GTPaseが結合することが哺乳動物細胞にて報告されているが、ミオシン機能制御における、その結合の役割は明確ではない。Myo2に結合するRab型低分子量GTPase(Ypt11)を哺乳動物細胞以外で初めて発見し、このミオシンとGTPaseの結合は、進化的に保存された重要なシステムであることを示唆した。遺伝学的解析の結果、Ypt11は、ミトコンドリアの極性分配における正の調節因子であった。また、Myo2のミトコンドリア分配への関与は不明であったが、今回、Myo2がミトコンドリア分配に本質的な機能を有することを明かとした。そして、Ypt11は、Myo2との結合を介してMyo2のミトコンドリア極性分配機能を促進することを明かとした。Myo2の機能制御システムの一端が初めて明らかとなったことから、他のMyo2機能の制御システムの解析も進むものと考える。 以上のように本年度も本研究は着実に進めることができた。
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