研究課題/領域番号 |
10217206
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
矢崎 一史 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (00191099)
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研究分担者 |
佐藤 文彦 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (10127087)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
36,300千円 (直接経費: 36,300千円)
2002年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2001年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2000年度: 9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
1999年度: 8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
1998年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
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キーワード | plant ABC protein / Cjmdr-1 / berberine / Coptis japonica / 根茎 / 転流 / Xenopus oocyte / in situ hybridization / 木部 / unloading / P-glycoprotein / alkaloid / Thalictrum minus / MRP1 / 液胞 / ABC protein / mdr / 輸送 / 二次代謝 / ベルベリン / 植物遺伝子 / アルカロイド |
研究概要 |
前年度に引き続き、オウレンのmdr様ABC蛋白質であるCjmdr-1のベルベリン輸送機能をアフリカツメガエルの卵細胞を用いて詳細に解析し、本遺伝子産物が、真核生物としては最初の例となる、内向き輸送性のABC蛋白質であることを示した。また、そのインタクト植物における発現部位が、根茎の木部組織の一部であることをin situ hybridizationにより証明し、本ABC蛋白がベルベリンのアンローディングに関わっていることを示唆した。第2のcDNAクローンCjmdr-2に関して同様の輸送解析を現在行っているが、本遺伝子産物もCjmdr-1とほぼ同じ組織で発現していることを明らかにした。 また本年度は、植物細胞の内在性ABC蛋白を検出するために、バナデートトラップ法を植物用に改良して、アキカラマツに応用した。これによりアキカラマツ細胞で発現するABC蛋白の特性を調べたところ、ベルベリン生産誘導下で特異的に発現してくるABC蛋白がベルベリンを輸送基質として認識することがが明らかとなった。さらに、アキカラマツの細胞がベルベリンをはじめ多くの芳香族化合物を取り込まないのは、その液胞膜に原因があるのではなく、細胞膜上の輸送体の特性によるものであることを示した。 一方、ヒトMRPを発現させたタバコにおいて薬剤耐性や環境ストレス耐性の解析を行ったところ、この形質転換タバコがカドミウムや除草剤のアラクロールに耐性を示し、さらにこれらの物質を細胞内に取り込む活性を示すことが明らかとなった。これにより、植物のMRPも同様の生理的機能を担っていることを示すとともに、この植物を応用した環境浄化(ファイトリメディエーション)の方向にも研究を展開させた。
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