研究課題/領域番号 |
10220209
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東北大学 (1999-2003) 国立精神・神経センター (1998) |
研究代表者 |
大隅 典子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00220343)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
50,700千円 (直接経費: 50,700千円)
2003年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
2002年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
2001年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
2000年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1999年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1998年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | 転写因子 / Pax6 / 脳のパターン化 / 前脳 / 菱脳 / ニューロンサブタイプ分化 / ニューロン移動 / 神経軸索伸長 / 脳のパターニング / ラット / 分節形成 / 神経細胞分化 / 神経発生 / 終脳分節 / 大脳新皮質 / 線条体 / 細胞接着 / カドヘリン / 境界形成 / 前脳分節 / bHLH転写子 / Notchシグナル / 介在神経細胞 / Pax-6遺伝子 / 変異ラット / マウス / 中脳 / コンパートメント / 遺伝子導入 / 電気穿孔法 |
研究概要 |
Pax6遺伝子は転写因子をコードし、発生中の前脳、菱脳、脊髄で領域特異的に発現する。本研究では実験発生学的手法と分子形態学的手法を駆使することにより、哺乳類胚において(1)脳形成の細胞系譜的解析および(2)脳のパターニングとそれに基づく神経細胞分化と軸索伸長に対するPax6の役割について解析することを目的としてしいる。 (1)に関しては、嗅球を形成するニューロンのうち、最も早く分化する僧帽細胞が終脳背側前方部に起源を持つことを明らかにした(Nomura & Osumi, Development,2004)。またPax6遺伝子に突然変異を有する自然発症遺伝子変異ラット胚では、この腹側前方部へ移動する僧帽細胞の移動方向が後方に変わること、この移動の異常は細胞非自律的であることを見いだした(Nomura & Osumi, Development,2004) (2)に関しては、転写因子Pax6の分子カスケードを明らかにすることを目的として、Pax6の標的遺伝子候補についてマイクロアレイ法を用いて解析した。その結果、脳型脂肪酸結合タンパク質(B-FABP/FABP7)が有力な候補として挙がってきた。FABP7の発現パターンはPax6と極めて似ており、Pax6変異ラットではその発現はほとんど消失していた。電気穿孔法によりPax6遺伝子を強制発現すると、FABP7は直ちに転写が開始した。したがってFABP7遺伝子はPax6の標的遺伝子候補である可能性が高いことが明らかになった(Arai et al.,in preparation)。神経上皮細胞においてFABP7の機能をRNA干渉法によって失わせると、異所性に分化したニューロンが生じたことから、神経発生においてPax6の関わる機能のうち、FABP7は神経幹細胞の維持に働く可能性が伺われた。
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