研究課題/領域番号 |
10304022
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伊藤 正 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60004503)
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研究分担者 |
枝松 圭一 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (10193997)
石原 一 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (60273611)
張 紀久夫 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60013489)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
37,000千円 (直接経費: 37,000千円)
2000年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
1998年度: 21,600千円 (直接経費: 21,600千円)
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キーワード | 半導体量子ドット / 閉じ込め電子系 / 多光子励起 / 励起子多体効果 / 励起子縦横分裂効果 / 縮退四光波混合 / 単一量子ドット分光 / ドットサイズ依存性 / オージェ過程 / 非線形感受率 / サイズ依存性 / 縮退4光波混合 / 単一量子ドット顕微分光 / 内部電場のサイズ共鳴増大 / 4光波混合 / 時間分解分光 / 顕微分光 / 超微粒子 / 電子正孔交換相互作用 |
研究概要 |
本研究では、半導体量子ドット中に励起子の高励起、多励起子状態を実現し、閉じ込め電子系特有の励起電子多体効果を実験・理論の両面から明らかにすることを目的とした。以下に成果の概要を列記する。 1.CuCl量子ドットについて、励起子共鳴励起下での赤外過渡吸収分光、励起子2光子吸収分光の測定を行ない、(1)励起子のリュードベリ高励起状態(n>1)の閉じ込め効果を明らかにし、理論計算との対比を行なった。(2)過渡吸収の長寿命成分が量子ドット明滅現象・光イオン化現象と相関があることを明らかにした。(3)二光子励起による励起子準位共鳴ルミネッセンスと共鳴光散乱の共存関係から励起子横緩和におけるノンマルコフ過程の重要性を議論した。 2.GaAsの離散的島状構造について単一量子ドット蛍光顕微分光を行ない、(1)多励起子状態からの発光のダイナミクス、励起強度依存性等を明らかにした。(2)共通の連続準位を介した量子ドット間のエネルギー移動現象、量子ドット特有のオージェ過程によるアンチストークス発光を見出した。 3.球内閉じ込め励起子について、縦横分裂効果、下地分極率によるバルク型遮蔽効果,鏡像効果を考慮してエネルギー準位構造・光学スペクトルを球半径の関数として計算し、内部電場の共鳴増大条件を調べた。円筒閉じ込めも考慮し、形状効果を考察した。 4.1次元閉じ込め系について、(1)周期構造に閉じ込められた励起子波動関数の空間構造、光との結合モード、結合モードの輻射シフトと幅を励起子の量子数、周期構造サイズの関数として求めた。(2)非局所性が誘起する巨大非線形応答による縮退四光波混合信号について、GaAs薄膜で観測された実験結果を理論的に詳細に解析し信号が非双極子的な空間構造を持つ内部電場の共鳴増大効果によることを明らかにした。 5.これらの成果を基礎として、より良質の量子ドット試料を用いた実験とスピン状態まで考慮した理論との対比が今後の重要課題である
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