研究分担者 |
KIRICHEK Oleg 東京大学, 物性研究所, COE研究員
新井 敏一 理化学研究所, 低温物理研究室, 協力研究員
椋田 秀和 東京大学, 物性研究所, 助手 (90323633)
白濱 圭也 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (70251486)
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配分額 *注記 |
35,600千円 (直接経費: 35,600千円)
2000年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1999年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1998年度: 21,800千円 (直接経費: 21,800千円)
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研究概要 |
本研究では,超流動^3Heの表面の性質を明らかにするために,He液面上2次元電子のフォノン共鳴とHe液面下イオンプールの伝導度測定を行った. フォノン共鳴の測定は,500MHz近傍の高周波数領域で行い,^4He上と^3He上の測定結果の比較から,70mK以下の^3He上でのHe表面上2次元電子系のフォノン共鳴の緩和率が異常な減少を示すことが明らかになった.この緩和率の減少は^3He表面において,リプロンから新しい表面励起モードへのクロスオーバーであることが予想される。今後,電子密度依存性及び定量的な磁場依存性などについて系統的な実験を行う必要がある。 イオンの実験では、^4Heでの予備的な実験によってバーミンガム大の結果を再現できることを確認した後に,^3Heでの測定を行った.正および負イオンともに移動度の測定が可能であることを確かめた.ヘリウム3表面下のイオンプールでの測定は始めてである.^3Heでの正イオンの測定において,^4He不純物の影響によると見られる不思議な温度依存性が観測されたので,^3Heの純度を上げて測定を行った結果,移動度移動度は温度の下降にともなって単調に上昇する結果が得られた.これはこれまでにバルクの^3He中のtime of flightの実験結果とも矛盾の無い結果であるさらに核断熱消磁冷凍機を用いて測定を行ったところ、^3Heの超流動転移にともなう正イオンの移動度の急激な上昇を確認した。このことによって、超流動^3He表面近傍での秩序変数の空間変化の様子をイオンを用いて研究する可能性が開かれた。
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