研究分担者 |
千葉 聡 東北大学, 理学部, 助教授 (10236812)
茨木 雅子 静岡大学, 理学部, 助教授 (30109128)
北里 洋 静岡大学, 理学部, 教授 (00115445)
生形 貴男 静岡大学, 理学部, 助手 (00293598)
北村 晃寿 静岡大学, 理学部, 助手 (20260581)
|
配分額 *注記 |
35,200千円 (直接経費: 34,600千円、間接経費: 600千円)
2001年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1998年度: 25,700千円 (直接経費: 25,700千円)
|
研究概要 |
主として3つの分類群,有孔虫・介形虫・貝類に分かれ,それぞれの分類群について硬組織の微細構造と石灰化に関する研究を進めた。 有孔虫:水温や塩分の異なる条件下で飼育された底生有孔虫について,殻の壁孔の形態を調べたところ,生息限界近くの水温や塩分のもとでは壁孔がいびつな形になることがわかった。そこで,石灰化途中の個体の殻構造を観察したところ,殻形成途中ではもともと壁孔の形はいびつであり,石灰化が進むにつれて壁孔の周りに結晶が成長して,その結果壁孔の形が円形に整えられるということがわかった。つまり,成長阻害等によって石灰化速度が遅い場合に,壁孔形成途中のいびつな形が保存されるものと考えられる。 介形虫:Podocopa目に属する介形虫類ついて,水温や塩分の異なる条件下で飼育実験を行い,それぞれの条件で石灰化された殻のマグネシウムとカルシウムおよびストロンチウムとカルシウムの比を測定した。その結果,Mg/Ca比とSr/Ca比は,塩分にはあまり影響されず,飼育水温が高くなるにつれて増加することがわかった。また,幼体と成体とを比べたところ,かなり小さい幼体にMg/Ca比やSr/Ca比が異常に高い個体が見られた。この理由として,石灰化速度が速いことによるvital effect等が考えられるが,現在検討中である。 貝類:Pterioida目の二枚貝に見られる稜柱構造について,殻表面で結晶が形づくる蜂の巣状構造の空間分割パターン,結晶の伸長方向,結晶のサイズ分布,結晶の晶出サイトの分布を解析し,結晶成長のコンピューターシミュレーションの結果と比較したところ,殻の付加成長速度が速いほど,稜柱結晶は大きく成長し,その大きさも揃い,形もボロノイ多角形に近い形状を呈することがわかった。また,結晶の晶出密度が低いほど,晶出サイトがより一様に分布することがわかった。
|