研究課題/領域番号 |
10304059
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
太田 俊明 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80011675)
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研究分担者 |
雨宮 健太 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80313196)
近藤 寛 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (80302800)
横山 利彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20200917)
廉 罕雄 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50282504)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
33,400千円 (直接経費: 33,400千円)
2000年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1999年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1998年度: 23,200千円 (直接経費: 23,200千円)
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キーワード | 磁気円二色性(XMCD) / X線吸収分光(XAFS) / 表面磁性 / 磁性薄膜 / 吸着分子 / 磁気円偏光二色性(XMCD) / 磁気異方性 |
研究概要 |
本研究は、放射光を利用したX線磁気円二色性(XMCD)測定を通して磁性薄膜と吸着分子の磁気的相互作用を調べるものであるが、今年度が最終年度にあたる。幸い、今年度になってこれまで建設を続けていた軟X線分光ビームラインが完成し、これを用いたXMCDの研究が可能になった。新ビームラインの性能はこれまで利用していたものに比べて明るさ、安定性ともに優れており、微弱なXMCDスペクトルの測定が可能になった。実験研究は以下の3つである。(1)Cu(100)基板上のCo薄膜を作成し、その上にO及びCOを飽和吸着させた状態のCoL-MCD,O-KMCDの実験を行った。そして、Oに誘起される磁性は強磁性的であるが、COに誘起される磁性は反強磁性的であることを見いだし、これが吸着サイトによるものであることを示唆した。(2)Cu(100)基板上のNi薄膜は、その容易磁化軸が膜厚10ML以下では面内、10-50MLでは面直に、そして、50ML以上では再び面内に向くことが知られている。本研究ではこのNi薄膜に吸着させたCOの誘起磁化の方向を調べた。その結果、面直磁化の場合は強磁性的に、面内磁化の場合には反強磁性的な磁化が誘起されることが分かった。そしてこれを簡単な化学結合モデルで解釈できることを示した。(3)Co磁性薄膜上に蒸着したMnの磁気的性質、その酸素吸着による変化を調べた。そして、MnがCoに強磁性的にカップリングすること、酸素はMnの磁性にのみ大きく影響し、MnOが形成されるとCoと反強磁性的にカップリングすることを示した。以上のような磁性薄膜の分子吸着による影響、更に、誘起される吸着分子の磁気モーメントは基板の厚さ、吸着サイトなど様々なパラメーターで変化しており、今後これらの構造と磁性について系統的に調べることによって新しい表面磁気化学の展開を目指して研究を継続していく予定である。
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