研究課題/領域番号 |
10305004
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松重 和美 京都大学, 工学研究科, 教授 (80091362)
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研究分担者 |
堀内 俊寿 京都大学, 工学研究科, 助手 (10238785)
夛田 博一 京都大学, 工学研究科, 講師 (40216974)
山田 啓文 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40283626)
石田 謙司 京都大学, 工学研究科, 助手 (20303860)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
1999年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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キーワード | 分子エレクトロニクス / フラーレン分子 / 走査プローブ顕微鏡 / 局所電子物性 / 非接触原子間力顕微鏡 / ケルビンプローブ顕微鏡 / 表面電位 / 界面電荷移動 / 単分子デバイス / 原子間力顕微鏡 / 局折物性測定 / 原子分子操作 |
研究概要 |
本研究では、メチル置換オリゴチオフェン5量体DM5T単分子膜を真空蒸着法により金属基板上に堆積し、導電性カンチレバーを用いたAFMによりこの単分子膜の表面構造および局所領域の電子物性を評価した。AFM観察によって、DM5T分子が分子軸を基板に垂直にして配向していることが示された。電流-電圧特性は、正負の電圧バイアスに対してほぼ対称となるが非線形な応答を示した。DM5T薄膜の低折率は約100Ω・cmとバルクの抵抗率と比べて2桁ほど小さい値となり、微視的系においては、有機薄膜はバルクとは桁違いに電気伝導がよいという興味深い結果を示した。一方、ケルビン力顕微鏡によるDM5T薄膜の表面電位の測定結果は、DM5T薄膜がPt基板より高い表面電位を持っていることを示し、薄膜から基板への電子移動あるいは薄膜表面に向かう誘起分極の存在が示唆された。 STMを用いて、チオール系自己組織化単分子膜(SAM)の構造と電気的特性について調べた。超高真空中における高分解能STM観察により、オクタンチオール分子のSAMでは、分子が金(111)基板面上にヘキサゴナルに充填して√<3x>√<3>構造およびc(4x2)超構造をとることが示された。両端にチオール基をもつオクタンジチオールのSAMの場合、分子はその主鎖を基板に平行にしてエピタキシャル配向していることが分かった。さらに、STM探針によるSAMの局所的なI-V特性を測定すると、オクタンチオールSAMでは、バイアス電圧に対して非対称なI-V特性が得られ、試料側に正電圧を印加したときの方が導電率が高いことが分かった。一方、オクタンジチオールSAMにおいては、バイアス電圧に対してほぼ対称な特性が得られた。このことから、分子双極子の作る電場によってトンネル電流が抑制されることが分かった。
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