配分額 *注記 |
40,200千円 (直接経費: 40,200千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 36,300千円 (直接経費: 36,300千円)
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研究概要 |
本研究では,ヘテロ・エピタキシー成長などの幾つかの原子種が絡む固体表面界面形成初期の表面界面構造解析手法として優れた威力を発揮する高分解能X線光電子回折法の実験装置の開発とそれを用いた典型的なヘテロ・エピタキシー成長表面界面の構造解析を行い,その手法の確立を目的とした. H10年度は,高分解能X線光電子回折装置の設計製作を重点的に行うとともに,米国の高分解能X線光電子回折装置を用いた実験を行いよってその設計上の重要点について経験を積んだ.装置の設計製作では,中心的機器である高効率角度分解光電子アナライザーの選定と購入,また,超高真空槽システムの設計,試料マニピュレーターとその角度自動送りコンピューター・システムの設計とコンポーネント購入などを行った.実験では,β-SiC(001)-c(2x2)表面のCls準位の高分解能X線光電子回折パターンを測定解析した. H11年度では,高分解能X線光電子回折装置の組み立て調整を行い,東北大学科学計測研究所において実験室光源であるAl KαとMg Kα線を励起源として,Si(001)表面上に出現することが最近見い出されたBiナノワイヤからのBi 4d内殻のX線光電子回折パターンを測定解析し,Bi原子配列を決定した.また,高エネルギー加速器研究機構,物質構造研究所放射光実験施設での共同利用実験研究として,高分解能X線光電子回折装置を搬入し同施設のアンジュレーター・ビームラインからの軟X線を励起源として,Si(001)表面上のSb吸着状態について,Si2p高分解能光電子回折パターンを測定解析を行った. H12年度は,高分解能X線光電子回折測定装置を再び高エネルギー加速器研究機構物質構造研究所放射光施設へ搬入し,Si(001)上の有機分子(エチレン)吸着表面について高分解能X線光電子回折パターンの測定と解析を行った.また,同試料について,東北大学科学計測研究所において実験室光源を励起源とするX線光電子回折パターン測定と解析を行った. 以上の結果は本装置と手法が有用ものであることを如実に示しており,今後,本装置と手法を用いて多くのヘテロ・エピタキシー成長表面系の構造解析に適用する予定である.
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