配分額 *注記 |
36,100千円 (直接経費: 36,100千円)
2000年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 16,900千円 (直接経費: 16,900千円)
1998年度: 16,100千円 (直接経費: 16,100千円)
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研究概要 |
(1)マイクロマシン用薄膜を対象とする引張り試験チップの構造設計,および荷重・変位測定系の機構設計を行い,準静的引張り試験システムならびに引張モードの疲労試験システムを実現した. (2)単結晶シリコン(任意方位),多結晶シリコン,シリコン酸化膜,シリコン窒化膜についてそれぞれ試験チップの製作プロセスを確立し,それぞれについて引張り試験を実施した. (3)オンチップ引張試験法の有用性を実証するため,標準材料として単結晶シリコン薄膜の3方位に対して引張試験を行い,各方位のヤング率と破断ひずみを測定した.一方,バルク材に対して3点曲げ試験を行い,両試験から得たヤング率の比較からオンチップ引張試験法の精度を検証した.オンチップ試験法ではいずれの結晶方位に対しても単軸引張りによる伸びひずみの値はほぼ5%に達し,3点曲げ試験よりはるかに大きい値を得た.またオンチップ試験法においても試験片の寸法が小さいと破断ひずみが大きくなることが判った.これは,破断を決める最大寸法の欠陥の存在確率が試験片長さに依存するからだと考える. (4)単結晶シリコン試験片に対して繰り返し荷重試験を行った結果,加えたひずみレベルが大きいと破壊寿命が小さくなる傾向を見いだした.繰り返し荷重環境下における単結晶シリコンの破壊メカニズムを考察した. (5)きわめて高い引張り応力のもとで破壊に至るシリコン単結晶試験片の亀裂付近の挙動をカーボンナノチューブをプローブ先端に付けたAFMによりin-situ計測し,室温下での塑性変形の存在の可能性を見いだした. (6)シリコン窒化膜では厚さ0.1ミクロンの膜の単軸引張り試験を実現したが,さらに薄い膜では表面エネルギの効果が機械的特性に影響する可能性があるので,今後,厚さが1桁小さい0.01ミクロンオーダーの極薄膜の引張り試験を実施すべく,新しい装置を設計した.
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