配分額 *注記 |
36,600千円 (直接経費: 36,600千円)
2000年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1999年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
1998年度: 25,400千円 (直接経費: 25,400千円)
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研究概要 |
ターボ機械の内部流れに焦点を絞って,先端的な非定常流れ計測および大規模数値解析により,遠心力およびコリオリ力の作用する極めて複雑な内部流れ場で生じる三次元剥離構造を詳細に解析した結果,以下のような知見が得られた. 圧縮機の不安定現象と密接に関係した軸流圧縮機動翼列のパートスパン形旋回失速における三次元剥離形態は二つに大別される.ひとつは翼2,3ピッチに相当するスケール(小スケール失速セル)構造を持ち,その内部には翼背面上とケーシング面に端を持つ竜巻状の剥離渦が形成され,失速の伝播はケーシング面上の剥離渦端が翼間を移動することで起こる.他方,失速域が翼十数ピッチに及ぶスケール(大スケール失速セル)構造を有する剥離形態も現れる.この大スケール失速セルは,流量の減少にともなって,複数の小スケール失速セルの内の一部が発達して形成される.大スケール失速においても,フルスパン失速に見られるような2次元的な失速形態は現れず,翼スパン方向に複雑な構造を有した3次元剥離形態を呈する.しかしながら,小スケール失速セルとは異なり,大スケール失速セル内部に明確な剥離渦構造は認められない. 動翼前方の静翼を動翼に近づけるとともに,小スケール失速セルの成長は抑制され,十分近づけた状態ではその発生すらも認められなくなる.また,静翼を近づけるほど,周方向に伝播する大スケールの擾乱波が発生しやすくなり,その結果大スケール失速セルがより高流量条件で発現する.さらに,動・静翼の間隔によらず,大スケール失速セル内に小スケール失速セルの形成が認められ,大スケール失速セル前縁部で発生した小スケール失速セルは,両者の旋回速度差により大スケール失速セルの後縁部へと移動した後に消滅する.
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