配分額 *注記 |
26,500千円 (直接経費: 26,500千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1998年度: 19,600千円 (直接経費: 19,600千円)
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研究概要 |
熱プラズマは,種々の材料プロセスに応用されているが,プラズマと材料の境界領域の物理と化学が十分に理解されていないため,詳細なパラメータ制御が未だ十分になされていない.本研究は,溶接など材料が溶融して蒸発を伴う熱プラズマ材料プロセスに焦点を絞り,プラズマと材料の間の熱・物質輸送について実験および理論的解析を行うことによって,材料と密接に関係するプラズマアーク電極現象を明らかにしようとするものである.具体的には,PLIF(レーザ誘起蛍光)解析システムおよびプラズマ分光計測器を用いて溶接中の大気圧ガス・タングステン・アーク(Gas Tungsten Arc=GTA)プラズマを診断した. 水冷銅陽極を用いたGTAプラズマでは,従来から考えられているように,電子が放出される陰極領域で生じる現象がアークプラズマの状態を主として支配している.しかし,陽極材料の蒸発が伴う場合,GTAプラズマの定性的な振る舞いそのものを変えるものではないが,電気伝導度,熱伝導度,比熱などのプラズマ物性を変えるために温度,密度,電流経路,プラズマフレーム,陽極ルート部などが変化し,結果として陽極領域で生じる現象が材料プロセスそのものに極めて大きく影響を与える場合がある. 例えば溶接では,陽極(溶融池)からの金属蒸気がプラズマの電気伝導性を支配するため,形成される陽極ルート部(陽極点)が拡散モードとスポットモードに分かれ,それらのモードの違いが溶融池内の対流現象に影響を与え,結果として溶接部の溶込み形状を大きく変えることがわかった. 以上,本研究の成果は,アークプラズマを用いた材料プロセスにおけるアークと材料との相互作用について新しい知見を与え,そして今後の展開のための指針を与えたと結論づけられる.
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