配分額 *注記 |
34,000千円 (直接経費: 34,000千円)
2000年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
1998年度: 16,200千円 (直接経費: 16,200千円)
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研究概要 |
体積相転移温度近傍でのポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPA)ゲルの膨潤・収縮のダイナミクスを温度ジャンプ法で調べた.膨潤過程では,ゲルが収縮相にある場合も膨潤相にある場合も共に転移温度に近づくにつれ拡散係数は減少することがわかった.この現象は,二次転移的な体積変化を示すゲルだけでなく,体積が連続的に変化するゲルや不連続に変化するゲル(一次転移ゲル)にも見られることがわかった.一方,収縮過程では,ゲルが膨潤相にある場合は温度ジャンプ法で求めた拡散係数は膨潤過程での値とよく一致した.しかしながら,収縮相にあるゲルでは体積変化から計算した拡散係数は,その温度ジャンプにより生じる全体積変化量に大きく依存することがわかった.収縮過程では,ゲルの体積変化と相分離とは密接に関係している.上にのべた収縮過程での特異な挙動は収縮が相分離の影響によるものと考えられる.少量のイオン性基を含むPNIPAゲルの体積相転移挙動に及ぼす荷重の影響を調べた.この研究により,転移温度の荷重(応力)依存性曲線がファンデアワールス流体系での相図に対応することを見いだした.荷重下(応力場)にあるゲルでは,転移温度の応力依存性曲線が相図に対応することから,共存線の勾配よりクラペイロンの式に用いて転移熱を求める方法を提案した.この方法で求めた転移熱は高分子網目の転移熱(網目の部分モルエンタルピー)に対応することも示した.
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