研究分担者 |
藤久保 昌彦 広島大学, 工学部, 教授 (30156848)
金 裕哲 大阪大学, 接合科学研究所, 助教授 (20144529)
林 茂弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60263216)
柳原 大輔 広島大学, 工学部, 助手 (10294539)
北村 充 広島大学, 工学部, 教授 (40195293)
正岡 孝治 大阪府立大学, 工学部, 講師 (10244659)
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配分額 *注記 |
15,900千円 (直接経費: 15,900千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1998年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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研究概要 |
船体の縦曲げ最終強度評価に関する実験的および理論的な研究を実施した。得られた主な研究成果は,以下の通りである。 1.連続防撓パネルの局部座屈強度を,防撓材とパネルの相互影響および溶接残留応力の影響を考慮して精度良く求める計算式を解析的に導いた。また,面内圧縮荷重を受ける連続防撓パネルの圧壊強度を精度よく求めるための簡易計算法を導いた。 2.横方向圧縮荷重および水圧が連続パネルおよび連続防撓パネルの座屈強度と最終強度に及ぼす影響を明らかにし,これらの強度算定式を導くと共に,これを縦曲げ最終強度計算法に組み込んだ。 3.痩せ馬モードの初期たわみを有する一般の局部パネルでは,最終強度後にたわみと塑性変形がある場所に集中し,他の場所では弾性除荷が発生するために,最終強度に達したあと耐力が急減することを明らかにし,この現象を精度よく再現できる理想化構造要素を開発した。 4.本理想化構造要素を2軸曲げ捩れ座屈挙動を再現できる薄肉断面梁・柱要素と組み合わせて,2方向圧縮を受ける連続防撓パネルの崩壊解析を実施し,その精度を有限要素法解析の結果と比較して確認することにより,本要素と防撓材要素を縦曲げ崩壊解析に適用できることを示した。 5.チップ専用運搬船の1/10縮小試験体を製作し,サギングの縦曲げ崩壊試験を実施した。その結果,甲板および船側外板上部が座屈崩壊することにより,サギング状態のチップ船は縦曲げ崩壊することを確認した。 6.局部パネルの板厚とアスペクト比,防撓材の種類と大きさ,溶接残留応力などのパラメータを種々組み合わせた合計180体の連続防撓パネルに対して,10種類の手法を適用したベンチマーク計算を実施し,計算に含まれる種々の仮定や条件に応じて,得られた最終強度にバラツキが生じることを確認した。 7.4隻の実船および船体の1/3縮小試験体に対する縦曲げ崩壊のベンチマーク計算を,8種類の手法を適用して実施した。そして,座屈たわみ/塑性変形の局所化や防撓材のトリピングなどを伴う実際の縦曲げ崩壊挙動を再現できる計算方法が,正確な縦曲げ最終強度を与えるとの結論が得られた。 8.現時点では,厳密に求めた防撓材要素の平均応力〜平均ひずみ関係を用いたSmithの方法を,最も優れた縦曲げ最終強度計算法として推奨した。
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