研究課題/領域番号 |
10306004
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
久能 均 三重大学, 生物資源学部, 教授 (20024573)
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研究分担者 |
小林 一成 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (90205451)
高松 進 三重大学, 生物資源学部, 教授 (20260599)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
41,250千円 (直接経費: 39,300千円、間接経費: 1,950千円)
2001年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2000年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1999年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1998年度: 21,900千円 (直接経費: 21,900千円)
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キーワード | うどんこ病 / 病原性 / 抵抗性 / 受容性 / 多様性 / 絶対寄生菌 |
研究概要 |
1)空気伝染性の病原糸状菌の感染は、宿主表面への胞子の付着から始まる。ムギ類うどんこ病菌の分生子は植物表面に接触すると直ちに液状物質(ECM)を分泌して付着すること、この分泌が発芽管突出位置を決定すること等を細胞学的に明らかにした。ECMは各種細胞壁分解酵素を含むことを生理学・分子生物学的に証明した。ECM分泌は本菌の病原性発揮の第一歩であることを示した。また、うどんこ病菌が感染したオオムギ子葉鞘内には受容性因子が出現することを示し、部分的定性分析結果を得た。因子の純化及び構造決定を続行中である。 2)種々のアクチン細胞骨格阻害剤を用いた実験から、植物の抵抗性発現においてアクチン繊維の動的なリモデリングが重要な役割を果たしていることが明らかになった。この結果は、抵抗性関連物質やオルガネラの時空間的制御の重要性を示唆している。動物細胞では低分子量Gタンパク質のRacがアクチン細胞骨格の制御に中心的役割を果たしている。そこで、植物Racの機能を明らかにするため、タバコRac遺伝子をクローニングし、過剰発現体を作成した。この結果、Rac過剰発現体では、サリチル酸に対する感受性が高くなっており、Racが全身獲得抵抗性の誘導に関与する可能性が示唆された。 3)15属にまたがる33種類のうどんこ病菌の18S,5.8Sおよび28S rDNAの塩基配列を決定し、それらの系統関係を推察した。Uncinula septataを除くすべてのうどんこ病菌が大きな一つのクレードを形成し、U.septataはそのクレードの基部に位置した。U.septataを除くうどんこ病菌は5つの主要な系統群を形成した。いくつかの主要な特徴の祖先形質と派生形質について論議した。長い間祖先形質であると考えられて来た菌糸状の付属糸は、むしろ派生形質であり、収斂的に多数回にわたって出現したと考えられた。Euoidium型のアナモルフとこん棒上の発芽管は祖先形質であり、Pseudoidium型のアナモルフと拳状の発芽管は派生形質と考えられた。表皮寄生性と閉子のう殻内の複数の子のうは祖先形質であり、内部寄生性と単一の子のうは派生形質と考えられた。
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