研究課題/領域番号 |
10306008
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食品科学・製品科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上野川 修一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50011945)
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研究分担者 |
八村 敏志 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40238019)
久恒 辰博 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (10238298)
戸塚 護 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 客員助教授 (70227601)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
37,100千円 (直接経費: 37,100千円)
2000年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1999年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1998年度: 23,800千円 (直接経費: 23,800千円)
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キーワード | 食品アレルギー / TCRアンタゴニズム / 変異ペプチドリガンド / 腸管免疫系 / サイトカイン / 神経細胞 / 一酸化窒素 / アポトーシス / アナログペプチド / 脳細胞 / T細胞 / 細胞死 / p53 / IgE / 神経幹細胞 |
研究概要 |
1.アレルゲンの分子構造変化と免疫応答の関係 T細胞抗原レセプタートランスジェニック(TCR-Tg)マウスのT細胞が認識する卵白アルブミン(OVA)の部分ペプチドOVA323-339の1残基置換アナログ40種は、それが誘起するT細胞のサイトカイン応答や抗体産生誘導のパターンの違いにより、4つの群に分けることができた。同様のパターン変化はOVA323-339濃度の変化によっても観察された。さらに、T細胞応答を抑制するアナログも同定し、これの腹腔内投与はinvivo食品アレルギー反応モデルにおいて抑制効果を示すことを明らかにした。 2.アレルゲンと腸管免疫系の応答作用OVAを経口投与したTCR-Tgマウスのパイエル板細胞は抗原刺激に対しIFN-γ、IL-5を分泌し、腸管上皮内リンパ球はIFN-γを分泌した。一方、脾臓CD4T細胞のサイトカイン産生能は減弱し、経口免疫寛容が誘導された。この寛容T細胞において、TCR刺激に対する細胞内Ca^<2+>濃度の上昇等に障害が認められた。また、OVA経口投与により胸腺細胞、各リンパ組織のCD4T細胞のアポトーシスが観察され、p53欠損マウスにおいて抗体レベルの経口免疫寛容が部分的に解除された。パイエル板細胞の抗原提示能と脾臓細胞の抗原提示能の違いについて明らかにした。 3.腸管免疫系と神経系の相互作用 神経幹細胞の培養系を用い、神経系細胞に対するサイトカインの作用を解析した。IL-6ファミリーサイトカイン(IL-6,IL-11)およびTGF-βファミリーサイトカイン(BMP-2,BMP-4)の作用により、神経細胞の活動を補助するグリア細胞の新生が誘導された。また、免疫系のストレス応答により誘導型-酸化窒素合成酵素の発現が誘導され、結果的に周囲に存在する神経細胞が傷害され、場合によってはp53依存的にプログラム細胞死が誘起されることが判明した。
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