研究課題/領域番号 |
10307001
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
堀 哲郎 九州大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00022814)
|
研究分担者 |
高木 厚司 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30243934)
片渕 俊彦 九州大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80177401)
粟生 修司 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40150908)
武 幸子 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80253425)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
31,600千円 (直接経費: 31,600千円)
1999年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1998年度: 26,800千円 (直接経費: 26,800千円)
|
キーワード | 脳・腸・肝・免疫連関 / エンドトキシン / c-fos / アンチセンスオリゴDNA / CRF / サイトカイン / フローサイトメーター / 拘束ストレス / 脳・免疫系連関 / 脳・腸・肝・免疫系軸 / Bacterial Translocation / インターロイキン-1β / インターロイキン6 / 脳内ノルアドレナリン / 痛覚系 / プロスタグランディンE2 |
研究概要 |
本研究では、脳・免疫系連関に関する我々の研究成果を基礎に、非炎症性環境ストレスによる生体防御系修飾の中枢及び末梢機序を解明する事を目指し、以下の様な成果があった。 1.脳・腸・肝・免疫系軸の解明 非炎症性ストレスによって腸管粘膜バリアーの一時的な破綻が起こり、腸管内に常在するLPSが周辺組織に移行すること、特に、肝臓は腸管由来のLPSを解毒排泄する主要な臓器であると同時に、LPSによってIL-6を始めとする様々な生理活性物質を産生・遊離し、全身の生体防御系の維持に寄与している可能性が示された。 2.脳内IL-1βによる局所ノルアドレナリン系への影響 ラットでストレス行動反応発現に重要な前頭前野神経終末からのNA放出を、局所IL-1βがプロスタグランディン、一酸化窒素、グルタメートを媒介物質として増強することをin vivo microdialysis法を用い、明らかにした。 3.脳内サイトカインの侵害受容系への影響 脳内IL-1βがPGE2を媒介物質としてその濃度及び受容体の種類依存性に痛覚系を修飾することを明らかにした。 4.非炎症性環境ストレスによる脳内のサイトカインやc-fosの発現 (1)c-fos mRNAは、寒冷暴露時の、視索前野、外側野、および腹内側核の増加が著明であった。 (2)CRF mRNAは、暑熱暴露時のMPOと室傍核、寒冷暴露時の視索前野、外側野で著明に増加した。TRH mRNAは、寒冷暴露時のc-fos mRNAの変化と類似していた。 (3)暑熱暴露によって、視床下部のIL-1β mRNAは減少したが、IFN-α mRNAは増加した。IL-6およびTNF-α mRNAは変化しなかった。 (4)MPOにc-fosのアンチセンスオリゴDNAを注入すると、c-fos mRNA量はむしろ増加した。これは、FOS蛋白によるc-fos mRNAの転写に対する自己抑制が阻害されたためと考えられた。また、アンチセンスオリゴDNAによって、暑熱暴露時のIFN-α mRNAの発現が抑制された。 5.非炎症性環境ストレス時の末梢リンパ球のサブセットの変化 フローサイトメーターを用いて、各種のストレスモデルについて検討した。1時間の貼り付け拘束ストレスでは、統計学的に優位な変化は観察されなかったが、1時間の尾部つり下げストレスでは脾臓内CD4+T細胞の増加とCD4/8比の増大、6時間の尾部つり下げストレスでは脾臓内CD8+T細胞の減少とB細胞の増加が観察された。免疫細胞自体の機能変化とともに、その分布の変化が重要な意味を持つ可能性が示唆された。
|