研究課題/領域番号 |
10307005
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉木 敬 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60220612)
|
研究分担者 |
池田 仁 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20232192)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
37,300千円 (直接経費: 37,300千円)
2000年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1999年度: 17,300千円 (直接経費: 17,300千円)
1998年度: 16,300千円 (直接経費: 16,300千円)
|
キーワード | モデル動物 / HTLV-I / HAM / TSP / アポトーシス / トランスジェニックラット / 膠原病 / 胸腺腫 / トランスジェニック / bcl-2 / 免疫制御細胞 / HTLV-I関連疾患 / オリゴデンドロサイト |
研究概要 |
ATLのほか脊髄症(HAM/TSP)や関節症などのHTLV-I関連疾患発症機構解明を目指し、我々が樹立したHTLV-I感染及び遺伝子導入ラットモデルを用いて、以下の研究成果を得た。 1.脊髄症発症HTLV-I感染WKAHラット(HAMラット):HAMラット脊髄の経時的な形態や遺伝子発現の変化および分離グリア細胞を用いた検討を行った。HTLV-Iは全身への感染とともに脊髄のマクロファージ/ミクログリアに感染し、ウイルスの増殖とTax蛋白をコードするpX遺伝子の発現増強が起こる。Taxの発現は感染マクロファージ/ミクログリア系細胞にTNF-α産生を誘導し、アポトーシス抑制遺伝子bcl-2の発現抑制を伴ったオリゴデンドロサイトにアポトーシスを起こし、髄鞘の破壊を招く。その後スカベンジャーとして活性化マクロファージ/ミクログリアが浸潤、増殖しさらに髄鞘の破壊を進行し、脊髄症の発症に至る。一方、その修復機転として局所のアストログリアが増殖する。以上が本モデルにおける脊髄症の発症機構として考えられた。 2.種々の膠原病発症LTR-env-pX遺伝子導入ラット(env-pXラット):env-pXラットのリンパ球の特徴の解析および骨髄、脾細胞、胸腺の移植実験を行った。本ラットでは末梢リンパ球の免疫学的高反応性の獲得や免疫制御細胞の機能異常が確認された。移植実験では以下の3通りの疾患発症機構が存在した。血管炎は胸腺での、皮膚炎は末梢リンパ球での、関節炎などは標的組織ほかでの導入遺伝子が疾患発症を誘導していた。一方、2系統のenv-pXラットの内、1系統に局所でpXとTNF-αの高発現を伴うHANラット様の脳脊髄症を発症した。 3.胸腺腫発生lck-pX遺伝子導入ラット(lck-pXラット):lck-pXラットの導入遺伝子の発現と胸腺腫発生の関係、腫瘍細胞の由来について検討した。胸腺腫の発生には導入遺伝子の発現量が重要であった。腫瘍は胸腺髄質上皮細胞から発生し、その前駆細胞は骨髄の浮遊系単核細胞であることを証明した。
|