研究課題/領域番号 |
10307013
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山口 悦朗 (山口 悦郎) (2000) 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (10201831)
川上 義和 (1998-1999) 北海道大学, 医学部, 教授 (10001877)
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研究分担者 |
南須原 康行 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (30322811)
伊藤 昭英 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (30291230)
山口 悦郎 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (10201831)
棟方 充 北海道大学, 医学部, 講師 (00209991)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
24,400千円 (直接経費: 24,400千円)
2000年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1999年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1998年度: 13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
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キーワード | 高親和性IgEFc受容体β鎖 / IL-4 / アトピー / 気管支喘息 / アトピー性皮膚炎 / IgE / 1塩基多型 / CD14 / ムスカリニック受容体1 / インターロイキン4 / 高親和性IgEFC受容体 / 遺伝子多型 / サルコイドーシス |
研究概要 |
(1)我々は高親和性IgEFc受容体遺伝子(FceRIb)のプロモーター領域-109の位置に新たにCからTへの1塩基置換を発見した。この多型の分布は喘息と健常人の両群で特に有意な差は認められなかったが、喘息群において対立遺伝子Tをホモで有する喘息患者は、それ以外の遺伝子型(TCまたはCC)を有する喘息患者に比べて有意に血清総IgEが高い値を示した(p=0.0015)。また喘息の発症年齢を考慮して同様の検討を行うと、遺伝子多型の総IgE値への影響がより明瞭に認められた(p=0.0004)。 (2)我々はまたIL-4非翻訳部位に新たな多型(+33C/T)を発見した。T対立遺伝子頻度は喘息患者で0.675、健常者で0.671と両群に有意差を認めなかった。一方、遺伝子型(CT+TT)はCCに比して、検討対象者全員および喘息群において、性、年齢で補正しても有意に血清総IgE値が高かった。 (3)上記二つの1塩基多型(SNP)について、血清総IgE値におよぼす相互作用を検討した。その結果、喘息患者において両SNPが、血清総IgE値に及ぼす影響は、お互いの遺伝子型に依存する可能性が示唆された。 (4)アトピー性皮膚炎群での上記二つのSNP頻度は健常群と比べ有意差は認められず、これらの遺伝子多型はアトピー性皮膚炎の発症に寄与していないと考えられた。また両SNPはアトピー性皮膚炎での血清総IgE値と相関を示さなかった。したがって、アトピー性皮膚炎のIgE上昇の個体差には、高親和性IgE受容体β鎖遺伝子やIL-4遺伝子より、むしろ他の遺伝子多型あるいは環境因子の関与が大きいと考えられた。 (5)ムスカリンM1受容体遺伝子の翻訳開始部位からそれぞれ287bpと1353bp下流の位置にアミノ酸置換を伴わない1塩基多型を発見した。同多型に関する症例対照研究では、健常対照群に比べ喘息群では遺伝子型CCの頻度が有意に高く、M1受容体遺伝子はアトピーとは独立して喘息の発症に影響を与えている可能性がある。
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